くまさん さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
平家のこと、忘れない
オリジナルキャラ、びわの視点で描かれた、
平家の栄華と滅亡の物語。
びわは、平家の良心、重盛に保護され一緒に屋敷で暮らすことになる。
平家と深い交流を持ったびわの視点で描かれるため、
平家の最期には史実で知る以上の悲哀が感じられました。
清盛の暴虐を諌めていた重盛の実直さ。
その重盛の3人の息子である、維盛・資盛・清経との日常。
清盛の娘、徳子へのあこがれ。
幸せなときはながれていき、だんだんと垂れ込める暗雲。
重盛の死をきっかけに、どんどんと切迫した事態へ。
戦術面・政略面の描写が控えめなので、
ところどころは調べてみて知識を補うとよいかも。
より平家の置かれた状況がわかり、
源氏に追い詰められていることが感じられ、息苦しくなります。
倶利伽羅峠で大敗を喫し、
大飢饉のあと苦労してかき集めた戦力を失った平家。
都を追われ福原へ逃げるも、一の谷で破れ、陸を追い払われる。
さらに屋島で負け、瀬戸内海の海軍拠点を取られる。
強みであった制海権を失った平家、
これを機に源氏へ寝返るものが続出。
根拠地でもあった九州でも、安息の地がなくなる。
そして、補給を絶たれ孤立無援の平家が、壇ノ浦決戦へ挑む。
生き残った者たちの胸中やいかに。
落日悲歌を味わう作品として秀作だと思います。
多くの人に見てほしい作品です。