てとてと さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ユニークな設定の三角ラブコメだが惜しい
漫画原作のラブコメ全12話。
管理社会ディストピア設定で、ダブルヒロイン間の恋愛障害度の差を生かした駆け引きや恋模様が見所。
設定はあくまで舞台装置と割り切り、細かい疑問は抱かないのがこの手の作品の楽しみ方。
※作品データベース様より転載
【良い点】
ユニークな設定、キツめの世界観を思わせ、意外と緩い優しい世界で安心してラブコメ駆け引きを楽しめる。
主人公の本命、政府公認のヒロイン、公認に逆らって恋に挑むヒロインそれぞれ絶妙にすれ違っているようでいて実は噛み合っている…ようでいて、そうでもない?思惑や駆け引きの妙。
設定面が終始不快感を抱かせることなく、恋の舞台装置に徹している作風は巧い。
黒沢ともよ氏の好演が光った政府の役人が、管理設定を適度に意識させてくれる。
ダブルヒロインどちらも中々魅力的だが、特に莉々奈が可愛かった。
主人公とは政府公認の仲だが主人公の本命はもう一人のミステリアスガール・美咲。
莉々奈は作品世界内では有利でも、創作のセオリーとしては不利なヒロインのはず…
そこを不利と感じさせないだけの魅力があり、視聴者目線では次第に莉々奈の方が可愛いんじゃないかと思えてくる。
ダブルヒロインの恋と嘘の駆け引き、次第に本心(特に莉々奈)が明かされる展開で、ラブコメとして見応えあった。
作画は随所で艶めかしさを想起させるシーンが巧い。
露骨なエロでなくても十分に効果的な良い演出。
【悪い点】
主人公がぱっとしない。
主にヒロインたちの駆け引きと心情が描かれ、主人公は蚊帳の外とまでは言わずとも地味さが否めない。
政府通知をダシにして煮え切らない三角関係を描くには尺不足、中盤以降は話自体が地味に感じる。
ダブルヒロインどちらも良い子。良い子なのは長所でもあるが、互いに妥協してしまっていて、恋愛面の波乱を抑える地味な方向になってしまっている。
ラストも微妙で盛り上がらない。
キャラデザ、作画があまり好みではない。
【総合評価】3~4点
序盤はユニークかつ巧妙なラブコメとして十分な楽しみ所はあったものの、中盤以降は微妙な作品。
最終的に飽きてしまった。
とはいえ特に不快感は無く、見やすいラブコメだったので、評価は「普通」