ぴかちゅう さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:----
高めの期待値を軽々と超えてきた
赤坂アカさんの「かぐや様」、横槍メンゴさんの「クズの本懐」がどちらも大好きな私にとっては、期待値の高い作品でした。アニメをネタバレなしで見ようと思い、「推しの子」関連の情報は基本シャットダウンして、待ちに待った初回。
高めの期待値を余裕で上回ってきました。それにしても、まさかの90分とは。しかし、その特別扱いに相応しい素晴らしい初回でした。
その後も十分期待値を上回っており、特に、第6話と第7話は、緊迫感も高く、文句の付け所がなかったです。逆に、9話と10話は他の話と比べると微妙でしたが、これも、あえて言うなら、という程度。
原作はアニメを後追いで購入中で、いまのところ3巻まで(原作8話までに相当)を購入しています。原作はもちろん質が高いのですが、アニメはそれを超えてきているように思います。作画については、原作も横槍メンゴさんなので素晴らしいのですが、特に重曹ちゃんは、アニメのほうが可愛いですね。そして、作画のみならず、声優さんの力演が、重曹ちゃんとあかねの魅力を原作以上に引き出しています。さらに、最近はどうしてヒロインから好かれるのかがよく分からない、微妙な男性主人公が多い中、アクアは、まぁルビーが11話で触れているように少しひねくれているところはあるとはいえ(笑)、容姿も性格もイケメンだと思いますね笑
逆に、原作の読んだところまでと比較すると、ルビーはあんまり存在感がないような。原作の作画だと、女の子のなかではルビーが一番可愛いと思うのですが。
また、ストーリーに粗がないといえば、嘘になります。例えば、{netabare}あかねが大雨のなか外出するシーンでは、アクアがあかねを探しにくる理由は、MEMちょが探し回っているから、なのですが、あかねとMEMちょが同居しているわけでもない(8話からはMEMちょとアクアは近所の様子ではある)ので、ちょっと違和感があります。そもそも、あかねが天才役者で既に相当な知名度があるならリアリティショーなんて出なくてよいのでは、とか、MEMちょでいえば、20代で7歳もサバ読んだらバレるでしょ、とかもあります笑
ただ一番は、アクアのぴえヨンへの変装が気づかれないのは、さすがに無理があるかなぁと。特にルビーと重曹ちゃんは一回本物に会っているわけで。まぁルビーはおバカキャラだから気づかなかったとしても、アクアのことが好きで観察眼も鋭いであろう重曹ちゃんが気づかない、というのは・・・{/netabare}
しかしながら、これらのストーリーの粗はいずれもマイナーかつ本筋に影響するものではないので、許容範囲かなと思います。むしろ、ストーリー全体としては、その質の高さと、根本設定で現実世界から逸脱しながらも、その根本設定以外ではリアルを追求する、という姿勢は、カズオ・イシグロのNever Let Me Go(邦訳「わたしを離さないで」)を思い起こさせました。褒めすぎかもしれませんが。
2023年はもちろん、2020年代を代表するアニメ作品だと思います。第2シーズンが楽しみです。