螺旋常連からくり剣豪 さんの感想・評価
3.8
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:今観てる
シリアス部分は相変わらずで草。でもちょっと面白くなったかもしれない
スパイ教室の分割2クール目。
13話はグレーテ編の軽いおさらいと、過去の時系列にて屍討伐の任務に同行するべくティア、モニカ、アネット、エルナがクラウスから与えられた試練を受ける話。
グレーテ編の顛末で予想できたけどクラウスに屍が倒されるシーンがギャグみたいで草生える。これ笑わせにきてるだろ。しかも最後はやっぱりしまっちゃうクラウスになりましたね……それに回想で出てきたオリヴィアのやられ方もやっぱおかしいわ。オリヴィアを撃ち抜く最強素人ウーヴェさん迫真のスナイプも光る。
試練の話はこれまでを考えるとまともな部類。ティアに籠絡されるエルナがエッ!なのが唆りました。お姉ちゃん呼びとかチノちゃんみたいですね。サラに対してお姉ちゃんって呼べ(暴論)。
ティアは焔に助けてもらったのがきっかけでスパイを志したようです。ダーティなイメージのスパイで正義の味方、っていうのはちょっと引っ掛かりますが、スパイが主戦力となるこの世界観ではこういう思考が生まれるのは強ちおかしくはないでしょう。
アネットは精神年齢が5歳児相当だったり記憶喪失な点から、なんか闇感じますね。
最終的に影の策士であるモニカが裏で色々手を回した結果、クラウスがネズミに触って汚れた手を洗えなくなり、他に行く時間も無い彼が観念したことによって試練は合格となりました。ここのトリックは少々力技ではありますが、力技ゆえに合理的に物事を運ぶ傾向が強いクラウスの盲点になったのだと思います。
あとはエルナが起動したアネットの爆弾でリリィの部屋が爆破されるオチ。いなくてもネタにされるリリィ……。
終盤は屍討伐任務の後に行方不明になったティアたちの捜索にクラウス、リリィ、クラウスが受けるはずだった任務の攻略にジビア、サラ、グレーテが当たる方針を決めます。
ED後はバカンス中のティアたち四人組のところにアネットの母を名乗る女性が現れたところで終わりました。
曲、作画は1クールと同等以上に上質です。作画が一切崩れないのは極上だ……。
ギャグ回は比較的見られる点から、3話までが本当に酷過ぎたのとシリアス回がとことんトンチキなのがこのアニメを盛り下げる元凶になっていると思いますね。
14話
時系列はクラウス、リリィがティアたちの捜索を始める数日前の過去に遡り、アネットの母親の話。母親はティアの計らいでアネットと親子水入らずの会話をしますが、記憶喪失の彼女は母のことを全く覚えておらず、会話はいまいち噛み合いません。
モニカはアネットが記憶喪失であり、スパイとして裏社会を生きていること、母親がアネットとの思い出が詰まった工具箱を盗まれ、それを取り返そうとしたものの失敗して借金塗れになってしまったことを踏まえて合理的な判断をし、母親との時間をアネットに作ってあげるべきだと考えるティアと意見の違いから衝突します。
後々彼女が借金取りに追われていることが判明し、二人の対立はさらに深まるのですが……。
暗躍するモニカ、ハニトラ要員のティア、工作員であるアネットが軸だからかスパイの描写は1期よりまともになったと思います。エルナはやはりというか能力が無茶苦茶で一人だけ浮いています。不幸を予期出来るというか、これ不幸を操ってるよね。もはや異能力。
エルナやリリィの活躍を見ていて思うけど、この作品はスパイらしからぬとんでも能力を持つリリィとエルナを序盤異様に目立たせたのがほんとにいけなかった。この作品の場合、これがこの作品では多いらしい3話切りに繋がる悪印象の一つになったと思う。
序盤はストーリーの盛り上げるのに必要なバックボーンの重厚さも踏まえてスパイキャラ、そして一人のキャラクターとして扱いやすそうなモニカ、ティア、アネットやプリンセス・プリンシパルのキャラと立ち位置が被らない、動物使いであるサラを主軸にした方がまだ良かったかも。特にティアはプリプリのドロシーと少し被るものの見た目や性格の時点で差別化はしっかりできているし、女スパイとしてあまりに理に叶ったキャラで癖も強くなく、シリアスで行くならリリィの代わりに主人公にしても問題は無さそう。それに5話辺りで製作陣が狙っていたと思われるエロ釣りもできるしで一石二鳥なキャラだと思う。
1期で目立っていたリリィやジビアも可愛くて好きだけど、彼女たちは主人公格にしてはコメディリリーフの面が強過ぎてこの作品の主軸になるシリアスストーリーと相性悪いんだよな。
借金取りがティアたちに銃じゃなくて石投げてきたのは笑った。これはターゲットであるアネットの母親を誤って殺さないようにと解釈したいんだけど、石も当たりどころ悪かったら普通にヤバいんだよな。
詐欺師たちの手口とかはリアリティはあったと思うし、そこはまあといったところ。
エルナ関連と石投げというツッコミどころはあれど、最後に明かされる衝撃的な事実を踏まえても話作りは及第点以上かなとは思いますね。
15話
パスポート偽造の一件から、アネットの母親マティルダがガルガド帝国のスパイであることを突き止めたモニカは彼女をディン共和国陸軍に引き渡そうとしますが、捕まったスパイの末路をクラウスから知らされていたこともあり、ティアはモニカに意見します。モニカは敵国のスパイに加担することは共和国、ひいては灯火に対する裏切りだとティアに正論を突き付け、両者は対立。エルナの仲裁もあり、モニカが妥協案として出したクラウスに頼る案もティアは飲むことができず、この件はマティルダの娘であるアネットに選択を任せるべきではないかという結論に落ち着きました。
アネットが決断するためにモニカからもらった猶予の中、ティアはマティルダを問い質しますが……。
全体的にはよくまとまった話だと思いますが、ツッコミどころは割とあります。
ティアとマティルダの会話にて、互いにスパイだと明かしますが、マティルダが正直に白状するのはやや強引。マティルダからしてティアが何者かが分からないのに言うのは悪手でしかない。逆もまた然り。ティアがお人よしだとしても全く疑わないのは不自然かな。
中盤、誘拐されたところを焔のリーダーである紅炉に助けてもらうというティアの過去が掘り下げられますが、ここも紅炉が当時一般人のティアにスパイであることを明かすのは良くない。あと、ティアが誘拐のショックにより口頭での会話ができなくなっていたことから最初筆談だったのが途中からテレパシーみたいになっていました。スパイはエスパーだった⁉︎
終盤はティアとモニカの決闘。なんだこのオッサン⁉︎
ティアはあらかじめ用意していた策で対抗するものの、さらにその上をいくモニカに終始圧倒され追い詰められます。
土壇場のティアはモニカの心を読んでか、彼女の弱みを握ることで逆転に成功します。敗北を認めたモニカは条件付きながらティアに協力することを約束します。
一致団結したティアたちですが、その裏でマティルダは……。
ツッコミどころこそあれ、まあ面白い回だったとは思います。