蒼い✨️ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
この世はロリと金。
【概要】
アニメーション制作:FelixFilm
2023年1月8日 - 3月26日に放映された全12話のTVアニメ。
原作は、「小説家になろう」に連載しているweb小説を書籍化とした、
講談社のKラノベブックスから刊行されているFUNAによるライトノベル。
原作イラストは、東西→モトエ恵介が担当し、
コミカライズ版はニコニコ静画の『水曜日のシリウス』にて、
漫画家である先述のモトエ恵介による連載が継続中。
監督は、玉田博。
【あらすじ】
童顔と152センチの身長と発育で中学生に見られる少女・山野光波は、
高校を卒業したばかりの18歳だが、
半年前の交通事故で家族全員(両親と兄)が亡くなり、
遺産目当ての親戚とのゴタゴタなどで受験勉強に集中できず、
彼女の学力なら本来受かるはずの大学にも落ちて高校卒業後が未定に。
地元の観光地の『見晴し台』で、
父親の生命保険金の使い方や、高卒で就職するか?来年また大学受験するか?など、
今後の人生設計について考え込んでいたところ、
ナンパ目的のガラの悪い3人の青年につきまとわれてしまう。
強引でしつこい彼らに連れ去られそうになりタマ蹴りで反撃したところ、
彼らと揉み合いになり、木の柵が壊れて崖から転落した光波。
その転落のときに、太古の昔に超常の存在に進化したが神ではない、
肉体も死の概念もない精神エネルギー生命体の一部を毟り取ってしまい、
その引きちぎられた精神エネルギー体の一部が光波の精神に融合し、
その生命体が持っていた世界を渡る能力で、
地球と中世ヨーロッパ風の異世界を行ったり来たり出来るようになり、
知らない村の一室で目が覚めた光波。
異世界の言葉は全くわからないが、そこで仲良くなった8歳の少女のコレットと、
森で山菜採りをしてたところ、狼数匹に襲われてのピンチで、
異世界から地球に転移して、そこで光波は自分の能力に気づく。
武装して異世界に戻って必死に狼を撃退してコレットを救った光波は気絶。
精神世界で例の超常生命体から光波は自分に何が起こっているのか説明を受けて、
言語知識(自動翻訳に近い)能力と、欠損部位の再生や傷跡が残らないといった、
高い治癒能力をプレゼントされる。それでコレットちゃんとも会話が可能に。
光波は思った。異世界の文明レベルは地球よりかなり下。
地球と異世界を自由に行き来出来る能力を使って、
異世界に深刻な影響を与えないレベルでの、地球の料理や雑貨品を売って、
異世界には存在しない希少価値の高額転売でボロ儲け。
異世界で稼いだ金貨を地球で換金すれば、
進学や就職に悩むまでもなく老後までの財産が築ける!
地球で10億円、異世界で10億円。合計20億円は異世界の金貨で8万枚換算らしい。
コレットに一旦のお別れを告げて村から王都に向かう光波。
異世界での自衛手段に地球の民間軍事会社で軍事訓練を受けて覚えたり、
異世界で商売するための後ろ盾としてお貴族様とのコネを作ったりで、
口八丁手八丁で忙しい光波。光波の話術と行動と、
地球から持ちこんだ様々な美食や娯楽などの文化は、
異世界の人々を虜にしていくのだった。
【感想】
FUNA先生小説の女主人公ってやたら逞しいのとロリっ娘を侍らせて男に興味なしがテンプレ。
あと、やりたい放題やって現代っ子の価値観で中世のおっさんを常にぐぬぬ!って論破してる感じ。
特に気に入らないゲスなおっさんは生命まではとらないまでも、報復で評判を下げて、
社会的制裁&経済的破滅の状態にする展開をよく見ますね。
同作者の商業作品は3つですが、
『私、能力は平均値でって言ったよね!』のマイルが一番性格がマイルドな主人公かな。
マイルが所属しているパーティーの仲間に同じことを主導させてますけどね。
この主人公のミツハは、自分を良く見せるために話を盛る詐欺師同然の大嘘つきで、
自作自演や当たり屋などを平気でやる。
異世界に対する文化マウンティングと詐欺まがいの転売ヤー行為で、
異世界の現地人の多大な称賛と利益を得てるってことで好き嫌いが別れそう。
ほら?大学推薦入試でやってもないボランティア活動を頑張りました!
って自己推薦文で書く人いるじゃないですか?ミツハはそんな図々しい人種。
とはいえ異世界から来ました!チート持ってます!!仕入れ値は1個110円でボッタクリ商売してます!
と正直に話したところで。異世界の王様や貴族らに信じてもらえるか?というとノー!ですけどね。
あと、真面目に頑張ってる人の足を引っ張ってるわけでなく、むしろ協力的ではあるし、
時代劇にも似た、権力にはより上位の権力で屈服させて悪人を懲らしめるエピソードがあったりで、
彼女の嘘と打算で作った人脈も結果的には有力者とWin-Winの関係を築いて、
そして善行になっているということで、微笑ましく見ていれば良いのでしょうか?
両親と兄が亡くなってから遺産狙いの親族相手に世知辛い嫌な思いを味わされて、
世の中には話し合っても無駄な相手がいて、根気よく説得なんて悠長は言ってられないことを学び、
お花畑のままだと悪いやつの食い物にされるだけだ!
綺麗事を主張して踏みつけられるぐらいなら徹底的に戦うの精神で、
彼女なりのリアリストとしての信念と矜持に基づいた行動、
降りかかる火の粉を振り払って、自分の欲望に正直に生きていく覚悟が完了していることと、
あと嘘つきで拝金主義者であることを彼女なりに頑張ってるんだと解釈できれば、
こんなストーリーでも面白く思えるのでしょうか?
とはいえ、やはり性格が良い主人公であるとは言い難いですし、
ミツハが持ち上げられ続ける茶番じみた小芝居な物語を見続けるのは、やはり気恥ずかしいですね。
異世界転移ものとしては、神から与えられた膨大な魔力で戦闘力で無双するのではなくて、
地球の文明万歳!!で異世界を文化侵略する物語でしょうか。
チート能力とは借り物のオカルトパワーではなくて21世紀の地球の文化や軍事技術そのものであり、
600年以上遅れた中世風異世界の文明レベルでは現代の地球の文化と技術力には勝てないですし、
現代の重火器にはファンタジー世界程度の武力では蹂躙されるのみであるという、
やりたい放題の作品。
戦闘車両などを大量に異世界に持ち込めるミツハの転移能力自体が十分過ぎるチートですけどね。
行動力のあるミツハが行ったり来たりの転移能力とチートにも似た現代の地球の力の一端で、
王国に多大な恩を売ってVIPになっていくのがストーリーの流れであり、
身分を得る成り上がり+内政モノになるための助走段階でアニメでは一幕を下ろします。
一応はコミカライズ版を流し読みしていますが、
アニメ終盤での戦争絡みのアニオリもうちょっとなんとかならなかったですか。
ゾンビ系FPSよりずっとやる気のないゴブリンの集団のノロノロした動きのアニメーションとか、
作画が楽をするために酷いことになってますな。
作画の良し悪しを気にするタイプのアニメではないと思いますが。
ちなみに原作だと日本の女子高生だったはずのミツハが傭兵団に命じて敵の軍隊を射殺したりと、
シュールさとドライさがあるのですが、原作での殺害がアニメでは負傷させて戦闘不能にするとか、
生ぬるい方向性で差し替えられていて原作通りだと不味いと思ってたのでしょうか。
負傷兵で敵の足手まといにして組織的な戦闘能力を削ぐという理由付けではありますが。
色々ぶっとんだ主人公であるミツハのツッコミだらけの活躍を笑って楽しめれば良いのですが、
嘘に嘘を重ねて異世界人の善意につけこんで同情を引いて利用する主人公の行動は見ていても、
自分にはちょっと合わなかったですね。自分の利益のためにいくら人を騙しても、
嘘を突き通してバレなければ良いの精神が日本人の美徳と合わないと言いますでしょうか、
コミカルな明るいノリでそれらの行動が描かれていますので、
細かいところをあまり気にせずに、気軽にサクサク楽しんだほうが良いのかもしれませんけどね。
これにて、感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。