てとてと さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
子ども向け教育アニメに見せて哲学的?単なる御当地アニメに収まらない魅力あり
群馬のマスコットキャラを主人公に、群馬県が製作した、色々と狂気を感じるファンシーコメディー。
ファンシーな「ぐんま」を舞台に、ダウナー系幼児ぐんまちゃん(男の子)が色んな疑問を素直に感じたり学んでいく?
2シーズン全26話。(作品データベース様より転載、2期分追記)
【良い点】
子供向けのファンシーな雰囲気に見せかけて、ブラックなユーモアぶっこんでくる作風。
群馬をファンシーにディフォルメした?ひらがなの「ぐんま」の雰囲気がユニーク。
富岡製紙場やヤヨイヒメ(いちごの銘柄)など群馬県PRに余念が無いが、ゆるさと狂気が混じった独特な感じ。
ヤヨイヒメがラップバトルでPRなどキャラの動きが楽しい。ハニワ族など謎種族たちも楽しい。
1エピソード7分構成で割と見やすい。ナレーションと第四の壁超えて掛け合いしたり、随所に楽しませる工夫ある。
ぐんまちゃん絵描き歌や、お絵かき投稿コーナーで大人も投稿していたり、番組全体でエンタメしていた。
ぐんまちゃんが可愛い。
ダウナー系で素直に知識や交流を学んでいく、子供らしい?純粋無垢な好奇心や裏表の無さで
ちょっぴりブラックなぐんまの大人事情やら妙に哲学的な問答を「そうなんだ」と受け流す。
高橋花林氏の好演が光り、ぐんまパワー100%や、ぐんまちゃんお絵描きコーナーなどなど随所にゆる可愛さ満点。
物知り博士との哲学的な問答や、友達についての人生論など、低年齢向け番組とは思えぬ鋭い内容。
ぐんまちゃん本人は明快な回答を出さない、視聴者にどう思うか問いかけ考えさせるタイプの教養番組になっている。
特に終盤は11話で民主主義と多数決の限界を親しみ易く提示、これに対するぐんまちゃんの優しい在り方示す回は良かった。
終盤12話のロボットアニメ・グングンマーの人類に対する風刺(オタスケマンの最終話的なテーマ)だったり、
最終13話のSF回で正義について問答の末ゆるくても好感持てる結論出したり。
小難しい大人の政治や哲学はわかんないけれど、皆が皆を大事にして仲良くすればいい的な。
全編通してぐんまちゃんの無垢で優しい在り方で、諸問題をゆるく前向きに考えさせる姿勢が本作の持ち味だった。
みんな仲良く、なメッセージはちゃんと伝わった。
第二シーズンはSDGsうんたらと今時のトレンドをこども向けに分かり易く解説する内容が多い。
人それぞれ色んな立場や考え方の違いがあり、それを認め合うことが大事的な。
全編通して素直な心で学んだり、多様で寛容な心持が大事だよ的なメッセージあり。
主題歌が主題に沿っていて印象的。
【悪い点】
悪い点というより特有の持ち味だと思うけれど、とりとめが無い作風。
群馬PRにしては中途半端に思えたり、哲学や雑多な分野を題材にしていて、一貫性が無い。
個性的なサブキャラが多いが、カオス気味で、面白いのかどうかよくわからない。
11話Bパートの競輪回。
4話みたいにちゃんと負けさせておけば問題にならなかったと思われ。
ここは配慮に欠けたかもしれない。
【良し悪し?問題回?】
11話Bパートにて、ぐんまちゃんのおじさんがハニワレース(競輪)で勝利してホクホクする話が
『青少年の射幸心への影響』云々に抵触したらしく、群馬テレビで放送見送りになった模様。
自分的には許容範囲だと思うけれど、NGの判断もあながち否定は出来ない…
結果だけ見ればギャンブルに勝って喜ぶ大人を見せているが、話の流れとしては、予想屋が当たるか外れるか誰にも分からない
とぐんまちゃんに教え、ぐんまちゃんも素直に理解しているように見えるので、
かしこいぐんまちゃんや視聴者ならば、このエピソードからギャンブルのアテにならなさや、おじさんの危うさは伝わると思う。
子どもって、大人が思うほど愚かじゃないと思うけどなぁ…
【総合評価】6~7点
凄く面白いかは微妙だけど、何かと侮れない群馬アニメだった。何気に2021秋の自分的ダークホースの一つ。
2023年にまさかの2期まで放送、安定して楽しめた。
評価は「良い」