カピバラ さんの感想・評価
2.8
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 2.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
つまらなくはないが不満点が多い、または印象が薄い
プロローグ含めた全25話の総評。
本作は学園、決闘、企業グループ内の派閥争い・抗争、学生による起業に会社経営、地球居住者と宇宙移民者の経済格差による武力衝突、義体を用いた身体拡張技術とそれの軍事・医療転用、百合要素に乙女ゲームチックな展開など…、作品を構成する要素が多すぎるため各要素の掘り下げが不十分、かつ作品の軸や目標が何なのか曖昧なまま進行して行ってしまった印象。
学園+企業モノなので当然登場人物も多くなり各キャラを掘り下げる尺は限られているためキャラの印象も薄く感じた。
固有名詞も多すぎる上に説明不足だと感じる点も多い。本作はガンダムシリーズ未見の初心者もターゲットに入れてるにも関わらずこれはどうかと思う。設定周りや組織・登場人物間の利害関係を把握しきれないと感じた人も多かったのではないだろうか?
一話一話は盛り上げるタイミング等をかなり周到に計算して作ってる印象なので見ていてそれなり以上には楽しめるのだが、全話通して見ると作品を構成している各パーツの掘り下げ不足のせいで総じて印象が薄く感じてしまう。
また、戦闘シーン等の演出的にも強烈に印象に残るようなシーンは少なく、1クール目最後のフレッシュトマトのシーンのような過激な演出で無理矢理話題性を出そうとしていたようにも感じた。
そもそも一つの作品を成立させて、完成度を高めるだけならこんなに多数の要素は不要なはず。ましてや24話(+1話)しかないなら上記の半分ぐらいの要素を削っても作品は成立すると思うのだが…。
やはり話題性を重視した結果なのだろうか?
プロローグに関しても本編との繋がりをあまり感じず、わざわざ一話分追加で作る必要があったのか疑問。
乗り手の命を脅かすガンダムの呪いに立ち向かうと言うのも本作の重要なテーマだったと思うのだが、スレッタたちがそれに立ち向かい乗り越えられたのかも不明瞭なまま終わってしまい、これもテーマ的に深掘り出来てなかったと思う。
どうもSNS(特にTwitter)ウケを狙った展開やセリフ回しに気を取られすぎてテーマの深掘りがおざなりになってしまった感は否めない。
総評としては凡作よりの佳作か佳作よりの凡作と言ったところかな…。