てとてと さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ネット妄想チート系の典型ながら、謙虚な自覚があるのと、アニメ含めて作りが真摯故か結構侮れない
ネット投稿小説(なろうではなくカクヨム)のチート無双系。「進化の実」と同じ作者。
異世界オンリーではなく双方行き来するタイプ。全13話。
【良い点】
タイトルの通り、異世界ではなく現実世界で無双してチヤホヤされる路線が割と斬新。良し悪しはともかく。
意図したコメディーではなさそうだけど、シュールな可笑しみ感じるシーン多々。
4話の暴走族乱入シーンは2023春アニメで一番爆笑。B級ネタアニメとして楽しめた。
主人公(または作者、または読者?)の理想(妄想)を素直かつ丁寧に描写。
主人公の自己肯定感が低く、良くも悪くも陰キャからの謙虚(卑屈と紙一重だが)なキャラ付けで、この手のありがちな調子に乗る嫌味を抑えている。
主人公は慎重に彼我の状況を探り、また俺なんかやっちゃいました感も控え目。性格も善良。
冷静に見ると気持ちの悪い妄想ではあるけれど、それをちゃんと自覚的かつ謙虚にやっている点は意外と好感が持てた。
あくまでも娯楽作品なのだし、そういう甘い妄想があってもいいと思う。
主人公は終始孤高(というより陰キャ)貫くためか、意外やハーレム萌え感も控え目。
アプローチしてくるチョロイン多い割には。
良し悪しだけど、この塩梅が不快感少なく見ていけた。
ヒロインは異世界の我儘姫と暗殺者少女どちらも可愛い。姫は我儘ぷりでキャラは立っていた。
他にも相棒の犬と仔猪が可愛かったり、姫の護衛隊長の苦労人かつ話の分かる大人な感じなど意外とキャラが良い。
異世界バトルも終盤は主人公より強い敵や師匠登場、無双ばかりではない見せ場もあった。
アニメ資源が潤沢、声優がラノベ(本作は違うけど)主人公定番の松岡氏だったり、他大御所も含めてやたらと豪華。
敵役を作者御本人が熱演、素人の範疇ではあるが申し分ない好演だった。
作画も楽曲も気合が入っている。OPは中々カッコいいしテーマにも沿っている良歌詞。
【悪い点】
結局は妄想具現化のチート無双なので限界がある。
特に現実パートの強くなってチヤホヤされたい妄想シチュエーションが露骨かつ幼稚で、見ていて寒々しい。
この点は開き直った突き抜け具合で好意的に見れなくもないんだけど、展開が単調で面白味が無い。
笑えるシーンも、あくまでもB級ネタアニメと見なしての話で、ニコニコ動画などのコメ付で見ないと微妙。
全体的なストーリーに纏まりが無く中途半端に終了。
主人公は善良ではあるが常に受け身で魅力薄い。
現実側の鬼頭明里ヒロインに魅力無し。
その他現実側の女子が軒並み主人公上げの為の賑やかし。
作画クオリティーは高めではあるが、キャラデザが硬質な印象であまり好みではない。
【総合評価】4~5点
非常に露骨な妄想具現化チート無双な割には意外と楽しめた。
少なくとも進化の実よりは格段に良かった。
ギャグは現実、キャラと話は異世界側が面白かった印象。
冷静に見ると駄作なのは確かだけど、これは良き駄作。
評価は良いは付けづらいが「普通」
【空耳】
「例えばこの世の全部を滅ぼせる」→「例えばこの世の全部を孕ませる」
どうもそうにしか聴こえない…