蒼い✨️ さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ガンバ!Fly high?
【概要】
アニメーション制作:ZEXCS
2021年4月6日 - 6月29日に放映された全12話のTVアニメ。
2022年7月2日に90分間の劇場版アニメ、「映画 バクテン!!」が公開。
監督は、黒柳トシマサ。
【あらすじ】
岩沼市の朝日山公園野球場。宮城県出身の双葉翔太郎は、
野球部員であるが一般客と同じ席から応援することしか出来ない補欠として、
サヨナラホームランでのレギュラーたちの敗戦を見守ることしか出来ず、
中学三年生の夏の最後の大会が終わった。
『結局3年間、ベンチ(客席)のままだった。』と下を向く翔太郎であるが、
トボトボ帰りがけに歩いてるときに、芝生広場で倒立している4人の男子高校生、
そして監督とマネージャーを目撃する。彼らに興味を持った翔太郎は、
彼らが入っていった岩沼市総合体育館(ビッグアリーナ)に、
後からついていき、そこは高校男子新体操の大会が行われていた。
私立蒼秀館高等学校(通称アオ高)の演技に魅了された翔太郎。
演技自体は素晴らしかったが、規定の6人に足りない4人が故の大幅減点で、
敗退するアオ高であった。
翌年にアオ高に入学した翔太郎は入部して、個性的な4人の先輩。
そして、ジュニア大会準優勝の実績を持つ美里良夜とで、
晴れて選手6人となった男子新体操部。
これまでいろんなスポーツを経験してきたが、
どれも不完全燃焼だった翔太郎のこれまでにない熱い青春が始まるのだった。
【感想】
あにこれには劇場版が登録されてないので、まとめて書きます。
2011年の東日本大震災の被災地として特に被害が大きかった、
岩手・宮城・福島の3県。
「ずっとおうえん。プロジェクト 2011+10…」
フジテレビが東北を舞台にしたアニメを作って、
節目となる10年後の2021年に公開した、
被災地支援を目的とした地元密着型のアニメらしいです。
岩手「岬のマヨイガ」
宮城「バクテン!!」
福島「フラ・フラダンス」
の3作品が作られています。
このアニメの中身は、
震災を経験した地元の高校生らが、部活動を通じて今を一生懸命生きる話。
震災要素が一部のキャラクターの生い立ちに影響していますが、
殊更強調しては語られていません。
スポーツアニメとしてはですが、
①日常描写が多め。
②互いに気持ちをぶつけあって。
③チームぼ結束が強まっていく。
主人公たちと対になるライバル強豪校があって、
彼らとの交流が刺激になっていく。
女性向けの男子スポーツアニメの基本に忠実な作りで、
ジャンプで連載してアニメ化したバスケ漫画みたいなカラフルな髪の配色や、
某アニメ会社の水泳アニメや弓道アニメにも通じる各話の構成になど、
いろんな作品の要素を混ぜた二番煎じ感がありますね。
ちなみに、声優陣は主人公の翔太郎役以外は、
イケメン役を多く演じてきた40代の男性声優が多く、
また、こんな男子あんまおらんだろ!
みたいな可愛げ重視のキャラ付けが女性視聴者を強く意識してますね。
先生役が櫻井孝宏なのが、そのまんまですね。
この手のアニメにありがちなBL要素は無く健全な内容です。
ただ、そのキャラ付けも任侠映画好き、アイドル推し、生花好きなど、
キャラの趣味に集約されてて、人格や個性というよりキャラ属性の範疇。
地元愛ネタなどを含めて会話のコミカルさもイマイチ面白くなく、
思い入れや興味の対象になり得るキャラが特に無いために、
第1話ではスポーツアニメとしては面白そうだったのに、早々に展開に飽きてしまいました。
翔太郎が第2話終盤で早々とバクテンを出来るようになり、そこを乗り越えたら上達が早すぎたり、
努力の姿や上手くなりたいとの葛藤よりも男同士のイチャイチャ重視の展開が多めで、
スポーツアニメとして自信の壁を破ったりライバルに打ち勝つというカタルシスも薄く、
努力しても頑張って最高のパフォーマンスを見せても、
スポーツの世界では乗り越える壁が高くて栄冠に届きにくいのが現実ですが、
現実での高校新体操の競技人口が男女合わせて3000人と多くないこともあるのか、
この作品ではサクサク全国に行けてることの肩透かしに、
そんなものかな?と思うと、過剰な期待をして臨むようなアニメでもなかったかなと。
新体操を始めてから日の浅い主人公・翔太郎が負傷を押して出場をして、
勝っちゃうところが甘いなあと思いつつも、やっぱり競技の裾野が狭く、
しのぎの削りが激しくない世界観であることも、理解しないといけなかったですか?
頑張って全力出して、チームに天才がいても競合する相手が主人公たちの最高を上回って、
全国に行けなかったアニメ(柔道や吹奏楽などいろいろありますね)
とか見ていますと、こちらは甘々に見えてしまいます。
このアニメのウリはモーションキャプチャーとCGの技術を用いたリアルな動きと、
派手なカメラワークを融合させた演技シーンであり、作画の動きは一見の価値あり。
スポーツアニメの主役は競技者であると思っていますので、
演出に余計なものを混ぜて強調しすぎない正統な描き方は好感が持てるものでしたけどね。
映画になると、全国大会での失敗で先輩たちの高校新体操が終わり、その後がメインの話。
全国大会では不完全燃焼だった新体操部が今度こそ全力でやりきるエキジビション。
失敗からの再生の物語であり卒業する3人との思い出作りでもある。
新しい夢に旅立つ恩師との別れ。
葛藤と成長の話として中途半端でスポーツものの創作として成熟が足りてないTV版よりは、
鮮明なテーマ性になってた映画のストーリーは良かったかな。
ただ、次の指導者を用意せずにアオ高を捨てる形になった先生とか、
引っかかりのあるものの物分りの良すぎる生徒たちなど、
細かいところを見てみると個人的には共感も感動もしなかったですが。
と、個人の受け取り方の違いに過ぎないですが、
何度も見たくなると言った感じのアニメではなかったですね。
これにて、感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。