タック二階堂 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
幸せな結末。
詳細は公式でも。
「メイドインアビス」のキネマシトラス制作ということで、非常に期待感を持って視聴に臨みました。原作は「小説家になろう」で連載され、KADOKAWA『富士見L文庫』でノベライズが刊行。シリーズ累計発行部数は700万部を突破しているそうです。
初回は、話としては暗いもののストーリー、作風、作画どれをとっても文句なし。覇権候補の一角が上々のスタートを切ったと思います。
んで初回。
{netabare}
おそらくは大正浪漫風の味付けの少女漫画という感じになるのでしょう。wikiを攫ってみると
古来から鬼、妖などと呼ばれ人に害をなす異形のものを退治するため、超常的な力を持つ異能者が生まれる特異な家系が連綿と続いてきた世界。主人公の斎森美世は異能を持たずに生まれ、実母を亡くし、継母のもとで義妹・香耶が異能の才を持って生まれてきたために、美世は家族から疎まれ、虐げられた生活を送っている。
そんな美世だが、辰石幸次という青年と密かに想いを寄せあっていた。しかし、ある日、幸次が婿養子として香耶と婚約。美世は「冷酷非情」という評のある久堂家の当主・清霞の婚約者候補として、厄介払いをされることになる。
といったストーリー。
まあ、マジで懸念材料は「なろう」発という点だけ。ただ、なろうにも秀作はあるので、玉石混交の「珠」であることを期待したいです。脚本やキャラデザ、作監をオール女性にしており、非常に繊細な描写となっていた初回。アニメとしての作りは、さすがキネマシトラスといった感じ。
wikiでは、おそらく「なろう」お約束の“追放ざまあ”展開になるようで、追い出した斎森の娘・香耶が清霞に一目惚れし、美世の婚姻を邪魔するといったストーリーになるようです。
言うまでもなく継続視聴です。
{/netabare}
=====最終話視聴後、感想です。
{netabare}
ここ数年のアニメ作品に毒されて、ファストフードのような早くて劇的な展開を期待する潮流に飲み込まれている嫌いがあります。そういった心情で本作を観ると、どうしても展開に物足りなさを感じ、ハラハラドキドキの緊張感が足りないと感じてしまいます。
でも、本来アニメ作品というのは、このぐらいでいいんだと再認識させられた作品でもありました。キャラの性格や行動、気持ちの移り変わりを非常に丁寧に描いています。もちろん、キネマシトラスの繊細で作り込まれた作画も見事。今期の堂々たる覇権アニメと言っていいと思います。
落とし所も文句なし。
滂沱の涙といった作品ではありませんが、旦那様を一途に思う美世の健気さ、そしてタイトルに違わぬ「幸せな結末」は観るものの心を温かくさせてくれました。もちろん、美世を演じた上田麗奈さんの演技があればこそというのは言うまでもないでしょう。
ついつい「なろう」発ということで色眼鏡で見てしまいがちですが、本作は一味違うというところを見せてもらいました。良かったです。
{/netabare}