ゲリオ さんの感想・評価
2.3
物語 : 2.0
作画 : 2.5
声優 : 3.0
音楽 : 2.5
キャラ : 1.5
状態:観終わった
全然ハートフルじゃない
世間と自分の評価の乖離率が今期ナンバーワン。
放送開始時からAmazonの評価が星5(現在は4.5)に大いに違和感を感じた作品。
「感動した!」「いい話!」との声が多かったが、とてもじゃないが自分はそう思えず。
過大評価というか、そもそも何を評価してるのかすら理解不能。
まず、エゲつないイジメ描写について。
ひとりの少女が「死神」と呼ばれ、クラスメートの大多数から迫害を受ける。
人は生まれながらにして排他性を有しており、物事の善悪の判断が未熟な小学生においては、クラスで孤立する子がばい菌のように扱われるのはよくある光景。
「〇〇に触られたらエンガチョ!」みたいなのは我々が子供の頃も見受けられたのでは?
ちなみに当然ながら俺はばい菌でした!自分語りをする場ではないので割愛するけど、トラウマを掘り起こすようなアニメだったことも低評価に繋がるかも知れない?w
そういうイジメを「良くないこと」として主人公が是正するような作品だったら、それは当然ハートフルアニメに成り得ること。
ただし、本作はそうではない。
「死神かっこいい!」と、クラスのイジメを容認するような主人公の言動。これは「イジメられて羨ましい!」と言ってるようなもので、見方によっては自分のように不快に感じる人がいても仕方がないのではないかと思う。
もちろん作者が言わんとしたいことはイジメの肯定ではなく「イジメなんて気にするな」ということは理解している。
だが、イジメという問題をそれで済ましていいのかは疑問。
またしても自分語りになってしまうが、俺もたしかに自分がキショイことを自覚した小学校高学年から今現在までは侮辱されることを快感に感じてきたものだが、無自覚な3年生くらいまでは言葉で傷ついたこともあった気がする。
やはりイジメを描写するアニメである以上、「気にするな」で済ませてはいけないし、悪いことは悪いと反省を促すような作品であってもらいたい。
そういった意味で第9話の運動会回は救いであった。
初回から西村さんをイジメてる筆頭格のひとりだった笠原が、自らの行いを深く反省し、改心するエピソードは、まさに求めていたような話。
この回があっただけでクソアニメ判定を回避したようなもので、星1つとしたかったストーリー評価も+1とした。
一方、最後まで反省の色なしの名前は分からんモブのブス眼鏡とか、環境が違えば自分がイジメられる側だというのに。あいつは多分中学生になったら孤立すると思う。
あとボウズのクソガキ。ああいうのが自らの行いのせいで痛い目に遭う展開が見たかったのに、そういうのは全く無しなのがストレスフルだった。
最後に何気に一番クソなのは担任教師。絶対イジメ把握してるのに我関せず顔。高田が転校してこなかったらどうするつもりだったのか。
西村さんは大人しいとはいえ、性格はどう見ても良い子だし、イジメの要因は絶対髪型だよね…
服とかには気を使えるんだから、あの鬼太郎へアーさえ変えれば逆にモテるのではないかという疑問。
主人公の高田くんについては、特に言うことない。発達〇害やん。仮に運動音痴で容姿も悪ければあるいは…
中盤、西村さんの母親が故人であることを知って「死神」というワードの重大さに気づく展開は凄く良かった…はずなのに結局は「死神でOK」となるのは「違う、そうじゃない」って感じたのは自分だけ?
西村さんは強い子だからいいけど、普通は悪口に耐えられない子の方がほとんどじゃないのか。女の子は特に。
本当に根本からズレてる作品であると、それが本作の一番の印象だ。
自分の感性がズレてるのか分からんから、各自で判断して欲しいという意味でオススメ度は低めにしないでおく。
ちなみにイジメ云々を除いたストーリーは普通につまんないと思いますw