ゲリオ さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
真面目な異世界群像劇
恒例の異世界転生譚。原作はなろう小説じゃなくてWEB漫画とのこと。
後で述べるけど異世界作品でもテンプレじゃなくて特色はある。
ストーリー、キャラ、作画、全てが「中の上」といった評価。
ずば抜けていた点はないけど丁寧で結構良い作品だ。
ストーリー構成は1~3話が序章、4~8話でメインシナリオ①、9~11話でメインシナリオ②、最終12話で短編&締め、と比較的纏まっていたのではないかと。
好みは分かれそうだが、個人的には最初3話のオムニバス形式の序章がテンポ良くて好きだった。
メインシナリオはシリアスが長く若干食傷気味に。つまらないわけではないが。
逆に序盤のオムニバスが4コマをそのままアニメにした様相で魅力に感じなかった人もいるかもしれない。
たしかに見ようによっては5分アニメでいいんじゃね?って気もした。
あと序盤の短編オムニバスについて、基本的には斎藤・ラエルザ・モーロック・ラファの主人公パーティのエピソードが主だって描かれるも、ちょいちょい関係ないキャラの話が挿し込まれるのが慣れるまで苦だったかもしれない。
4人のやり取りを見たいのに急に誰やねんこれ…っていう違和感は正直めっちゃあった。
ただ、4話以降メインシナリオ突入後、それらのキャラクターたちが斎藤パーティの前に現れ、序盤散りばめられたキャラが複雑に絡み合う群像劇の体裁を含んでくるのが面白い。
この辺りが普通の異世界作品と区別することができ、今振り返って見ると良い特色だったと思う。
手足の欠損を再生させたり、条件はあれど死者を蘇生させたりすることが可能な世界観なので、結構グロいシーン有り。
主人公の斎藤も全身の骨を砕かれ一時死亡したし、ヒロインのラエルザも腕を焼かれて骨が剝き出しになる痛々しいシーンがあった。
モーロック爺さんに至っては完全に死んでゾンビになる有様!!
普通の異世界作品なら絶対アウトな展開になっても何とかなりそうな設定は緊張感的にどうだったんすかね。
「でぇじょうぶだ、ラファさえ生きてりゃ何とかなる」って悟空に言われそう。
最後に、現実世界では便利屋の仕事に従事し、周囲からぞんざいな扱いを受けた斎藤について気になることが。
異世界に来て周りに頼りにされることで初めて人生に価値を見出した模様だが、むしろ戦闘以外は何でも出来る便利屋とか、現実世界ならいくらでも立ち回れたと思うのだが…。
顔も良く、手先が器用でコミュ力もある…リア充確定以外の何者でもない件。
余程、生き方が下手だったとしか思えない。
まあ、異世界に来て大分経つのにずっとワークマン着用してるくらいだから、もしかしたら何か抜けてる男なのかもしれない。
何はともあれ、まだまだ原作は続いてるようなので、時間があればWEB漫画で続きを追ってみるのも有りな作品である。