ゲリオ さんの感想・評価
3.5
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
PAワークスさんが心配です
毎度ながら気合の入ったオリジナルアニメを作るよ、この会社は。
でもさ…どうしても売れる道すじが見えないのよ。
前クールの『アキバ冥途戦争』に続きこれも非常に評価が難しい作品。
オリジナルでしっかりとしたアニメをやりきる姿勢は褒めたいけど、第一印象の悪さやツッコミどころの多さなどから、この作品がバズる世界線は存在しないだろうなとも思った。
視聴を終えてまず感じたのはストーリーがあるアニメって良いなってこと。
なろう作品ばかり最近見てるからか、内容の良し悪しは関係なしに、もはや「ある」だけで満足感を得てしまう。
そしてミリ役を演じた木野日菜さんの成長たるや。
数年前のアニメ『あそびあそばせ』で初めて聞いた時は完全にイロモノ声優で勝手に一発屋認定してしまったものだが、今や立派な演技派&安定の幼女役という立ち位置に定着した。
素晴らしいです。そして、ご結婚おめでとうございます。
せっかくのオリジナル作品なのでストーリー評を主にレビューする。
模擬家族・女児・子育て+ガンアクションというと、どうしても『SPY×FAMILY』が頭に浮かんでしまう。はたして企画した人が二番煎じを狙ったのか、はたまた偶然か知る由もないが、いずれにしても内容としては別物である。
同作は政府系組織に所属する主人公だが、本作の父親役たる2人の主人公は「殺し屋」という完全に反社会勢力に属する立場。また、娘のミリは超能力者でも何者でもない普通の女児である。
スパイ×家族が絶妙にマッチしていた同作と比較し、殺し屋×家族をテーマにした本作はどうだったかを評すれば、微妙に嚙み合っていなかったのが正直なところだ。
なぜならこの作品、子育てしてる回は「殺し屋」要素を全く感じさせない日常アニメへと変貌するからだ。
最初あれだけドンパチしておいて、ミリの保育園探し、遠足、運動会などに丸々1話使う平和な日常…えーっと、第1話でミリの実の父親を思いっきり射殺してるんだけど、こんなほのぼのしてて良いんか?
ただ、幾話かの子育て回は普通に面白かったから困る。
運動会で陰キャだった零が父親の顔(というか年の離れたお兄ちゃん?)になっていくシーンは、腐女子も必見なベストエピだった。
もうずっと平和な日常で良いのでは…と思っていたところ終盤シリアスに突入し、なんだかんだで終了。
強引に転結させたな~とも感じたが、まぁ、前述した通りストーリーがあるだけ、意外と満足感はあった。エンディングで未来を描いたのもグッジョブである。
ちな、隠れヒロインは、顔は可愛いのにクソデブの杏奈ちゃん先生。嫁にしたいw
総評としては、アニメとしての構成はまずまずなものの、肝心な土台となる脚本・設定はよろしくなかった。
とにかく「殺し屋」設定が邪魔。
せっかく日本が舞台だったのに「ヤクザ」ではなく、なんでまた欧州風の「殺し屋」にしたのか。しかもカタギすら手にかける正真正銘の悪の組織。
最終的に足を洗うとはいえ、美談として片付けるのは無理があった。
しかも結局、組織を壊滅させないもどかしさも残すし…
ヒットしなかったのは残念だったけど、ヒットしたら駄目な作品だったかもしれない。
結論的には前作『アキバ冥途戦争』よりは大分残念な評価に落ち着いたと言える。
最後になるが、いつもの定型文で締めたいと思う。
「PA.WORKSさんの次回作に期待します!」