「SPY×FAMILY 第2クール(TVアニメ動画)」

総合得点
80.8
感想・評価
513
棚に入れた
1933
ランキング
437
★★★★☆ 3.9 (513)
物語
3.7
作画
4.0
声優
4.0
音楽
3.8
キャラ
4.0

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ゲリオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

成功が約束されしアニメ

2クール全25話合算の感想。
安定の原作を優秀な制作会社が担当してんだから面白くないわけがない。
ちなみに自分、アニメ化決定前から原作既読済みだったので、敢えてアニメの感想を書くか迷ったが、せっかく2クール見たし、とりあえず1期までの部分だけでも総評したい。既に確定している続編以降のレビューは割愛する予定なのでよろしく。

まず内容だけど、老若男女にオススメできるタイプのソレだと思う。
2022年の名作アニメは『リコリス・リコイル』『ぼっち・ざ・ろっく』などが代表作に挙げられるが、これらはゴリゴリのオタク向けなので非オタの中年や子供にはオススメしにくい。
非オタに「好きなアニメは何?」って聞かれたら「SPY×FAMILYです」と答えるのがまさしく無難だ。間違っても「明日ちゃんのセーラー服です!」と答えてはいけない。
アクション要素もあり、ホームコメディ要素もあり、社会派要素もあり、まさに全方位盤石。
この内容で制作費をかけてアニメ化すればヒットは間違いなく、深夜アニメじゃなくても問題ない気がするが、夕方でやれば話題性が高まるかと言えばそういうわけでもないので、配信サービスが一般的になった今はあまり放送時間帯とか関係ないかもしれない。

で、アニメ化した結果、本作が集英社の思惑通り社会現象のブームを起こせたかというと…まあまあこんなもんじゃないかといった具合だ。
『鬼滅の刃』みたくアニメを見たことのない老人まで知名度が広がるまでは至っていないが、そこまでの領域に達するには多くの偶然や奇跡が重なる必要がある。
また、もともとの評価が高いので、アニメ化で面白さが「50点→90点」になる作品と「80点→90点」になる作品を比較するのは酷だろう。
とりあえず、映画化まで決定したし、想定した目標値は達成出来たのではないか。
実際アニメの出来も文句なしに良かったし、全然ステマじゃなくて正真正銘の名作と言っていいレベルだったと思う。

キャラクターに関してはやはりアーニャが魅力の半分を占めてたかなあ。
年度インスタ流行語大賞は「アーニャピーナッツが好き」に決定したらしいし。
cvを担当したのは努力だけで実績を残してきた種崎敦美さん。
種崎さんの演技力の高さは存じていたものの、さすがに幼女役は合わないのでは!?と最初は疑問だったが、始まってみたら驚きのドハマり具合。杞憂でしたわ。
ありふれた萌えボイスを用いず、完全実力派の布陣で挑んだ見事なキャスティングだった。

最終回はロイドがターゲットのデズモンドと接触するという本筋がほんの少し進んだところで終了。
なんだか後半になるにつれ、スパイよりもホームコメディがメインになってたから、最後のタイミングで本筋を絡めたのは英断。なかなか良い締め方だったんじゃないかと。
たしかこの後ってヨルさんの護衛任務編になると思ったけど、個人的にあの辺りって正直つまんなかったのよね。
なんだかんだ面白かったのはアニメの範囲内までだった気がしなくもない。
仮に2期のレビューを書いたら1期より評価点は落ちると思われ。
まー、今でも『怪獣8号』なんかよりはずっと面白いけど。

ということで珍しく原作既読作品のレビューを書いた。
一言の総評としては、間違いのないアニメ!これに尽きる。
「本来描きたかったものをいろいろ諦めて、自分ではなく世間が見たがるものを描いたので、キャラへの愛着はゼロです(笑)」
上記は原作者様の言葉だそうだが、これはほぼほぼ本音だと思う。
過去に大ヒットしたジャンプ漫画って大体そのパターンじゃないの?
あの『ドラゴンボール』だって鳥山明氏が本来描きたかった内容じゃないし、編集の要請に応える形で書いた結果、不滅の人気漫画になった作品。故に鳥山氏はドラゴンボールに対して愛着は無い。唯一『ONE PIECE』だけは作者が描きたい内容を描くだけでヒットしているが、極めて特殊な例でほとんどの作品は読者受けを編集部が主導して考えている。
何が言いたいのかっていうと、漫画もアニメも結局、どういう見せ方をしたら読者や視聴者に受けるのかを考えるのが一番キモってことだ。
その手法を熟知するのが、SPY×FAMILYを主導する敏腕編集者、林士平氏であり(昔で言えば鳥嶋和彦氏であり)、アニメで言えば本作を手掛けたWIT STUDIOであり、CloverWorksであり…
まさに成功が約束された作品だったわけであるが、それでも最終的な作品の評価は作者の手腕に掛かってくるのではないか。
途中まで面白かったのに最後が締まらなかったせいで名作にならなかった作品は数多あるが、本作は価値を落とさず結末まで駆け抜けてほしいね。
愛着ゼロなんて言ってないで、漫画家人生を賭けるつもりでお願いしますよ、作者さん!

投稿 : 2023/07/04
閲覧 : 80
サンキュー:

2

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