ウェスタンガール さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
おお、汝信仰うすき者よ
みんな大好き(?)諸星大二郎の妖怪ハンターでもお馴染みのヒルコ伝説を元ネタに、やはり今の流行りかどうなのか…、身食い上等!、iiPSか幹細胞かは知らんけど、何だか再生医療の闇と、時に日本神話では持ち出されることの多いインセスト・タブーと、ギリシャ神話のミノタウロスに代表される“獣姦”的なスパイスまでも加味して、とっても“明るく”、そして“楽しい”冒険譚に仕上がっている。
クッキング、味付け担当のお約束、能天気な科学者の面々に、鬼畜なサイコパスたち。
それぞれにリアリティを与える作画、美術か素晴らしく、さすがのプロダクションI.Gではあるが、そこに加わるスタッフに注目だ。
特にオープニングアニメーションと原画担当、10代で日本に渡り、知っている作品ではモブサイコ100や呪術廻戦の自由自在なアクションシーンで、無限の可能性を感じさせてくれたアメリカ人アニメーターのWeilin Zhang (イーリン・チャン 張瑋琳 ※読み・漢字を間違えていたらごめんなさい)さんである。
躍動感溢れるラフ線の流れと360度を舐め回すような空間表現が見事だ。
見たことのないものを崇めるのか信仰である。
"O Ye of Little Faith"
おお、汝信仰うすき者よ!
さあ、おらといっしょに“ぱらいそ”さいくだ!!
後半を楽しみに待つとしよう。
あと、この作品はディズニープラスなので、課金が嫌な方は録画予約、マストですね。
(さらに、露骨に、布教活動を少し)
先日、ネトフリで『ニモーナ』を観た。
めちゃくちゃ面白かった!
同じく配信されているドリームワークスの『シーラ』、その制作総指揮をされたノエル・スティーブンソンが学生時代に描いたグラフィックノベルの映画化である。自身のノンバイナリー、ADHDをカミングアウトした上で、その経験、パーソナリティを見事に投影された主人公の活躍が痛快であり、その叫びが心に響く。
元はディズニー傘下で、21世紀フォックス買収以前、その70%が完成していたにもかかわらず、『ブルースカイ・スタジオ』のリストラで頓挫、お蔵入りしていた作品。
それをネトフリがサルベージしたという。
お見事である。