ウェスタンガール さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
あの時の答え
学院編コミックの宣伝PVを目にした時から心待ちにしていた作品。
再びのスピンオフというべきか、シングルメニューに全集中のスタジオカフカである。
期待と不安が無いまぜとなる中、第一話の幕開けだ。
いやいや、全くの杞憂であった。
目眩く広がるウィッチクラフトの世界。
息を呑む見事なオープニングである。
そして、少し大人になったチセが、自らの意思で歩みを進める。
「来たね」
一気にカレッジ編に突入だ。
もちろん笑いをとることも忘れてはいない。
保護者同伴である。
『魔法使いの嫁』、そのタイトル回収も中々で、エリアスもまた一歩を踏み出すのである。
チセを影から見守る“ルツ”のプロファイラー振りも見事と言っておこう。
カレッジは魔術師の互助組織であるという。
しかしそこは、それぞれの思いが複雑に絡み合う場所でもある。
『秘密と事実と真実』
これこそ本編で語られる最重要のキーワードとなる。
魔法使いは嘘をつかないようにすべきである。
そして、嘘をつかずに真実を隠し、隣人との交渉を有利に進めることが大切であると。
これこそが、チセをして、生き抜く指針となってゆくはずである。
1000年の記憶、その呪いを共有するチセと“彷徨えるユダヤ人”のヨセフである。
面白い。
「あの時の答え」は、意外と近いところにあるのかもしれない。
チセは言う。
「必要に迫られた時、私は私自身を使うことしか思いつかなかった」と。
保健室の“芋虫”先生、彼女の言葉を借りるまでもなく無茶で無鉄砲、ある意味“ワーストウィッチ”注)のチセではあるが…。
自由を胸に抱く“ローズリンの子”、彼女の物語は続くのである。
ちなみに、ローズリン他^ ^、“猫”のお声は玉川砂記子さんで、やはりタチコマポジション?
注)“The Worst Witch”(ジル・マーフィー著)
J・K・ローリングも愛読したと言うイギリスの
児童文学。
ハリーポッターを始め、日本のアニメで言えば
『リトル・ウィッチ・アカデミア』など、
全ての魔法学園モノの元祖と言っても良い作品。
邦題は『ミルドレッドの魔法学校』で、BBCと
ネトフリがドラマ化、NHKでも放送していたので
ご存知の方も多いはずだ。