wkr さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
設定が最高な作品
{netabare}一番の魅力は世界観の面白さと設定の作り込みです。現実世界に電脳世界の情報を重ね合わせて見せる「電脳メガネ」が普及した近未来の日本という童心をくすぐられる様な世界観であり、多数の機能、現象、電脳体が登場します。この26話で終わらせるには勿体無い設定の重厚さだと思います。電脳メガネ辺りの設定や用語が複雑で、覚えるのに気力はいりますが、今の情報技術でも通じる用語があるので、それがわかるなら入り込みやすいでしょうね。フィクションと現実の境界線的なこの設定はワクワク感が凄いので大好きです。
ヤサコ、イサコ等のメインキャラは勿論、ダイチ、アキラ等のサブキャラもかなりキャラが立っていてキャラが生き生きしています。メイン、サブはだいたい小学生なので、稚拙な掛け合いや台詞は多いですが、個人的にはこういうノリはアリです。イサコは小学生にしては精神年齢高すぎだとは思いますが。
丁寧で安定感のある作画のお手本の様な出来。少しノスタルジーを感じる背景や色使いも魅力。何よりCGのレベルが当時としては段違いの出来でした。背景や作画と上手く馴染んでいて、更には動きに緩急がありとても機械らしい。見た目は絶妙な非現実感を待ち合わせて、現実と電脳の世界と上手く差別化出来ています。それなのにキャラと並べても浮いていないのは物凄いと感じました。レーザーや暗号、メタタグの表現も見事。
ですが、正直なところ2周目は見る気は起きないです。この作品は観るのに、かなりの気力を使います。特に序盤と後半(個人的に16話から)は設定や機能の説明が多く、それに並行しキャラが行動し、掘り下げられる為キャラの行動の理屈や説明をよく理解するにはシーンを理解まで見直すかメモが必須です。設定も、上記のものに加えてオカルト要素が入ってくるので、少しゴチャゴチャしています。24話からは展開がより複雑かつ難解でかなり駆け足。展開も少し唐突さが否めないような粗いものがあったり、最終話で猫目兄弟をほったらかしにして終わるのは残念です。設定を大きく広げた割には小さいスケールで終わったのも少し物足りないですね。12話13話の話は端折って良かったですね。タイトル回収も少し拍子抜けかなあ。
全体的には、世界観と設定が秀逸で、前半で小学生達の日常を描きつつ伏線を張り、後半で伏線回収の流れは見事で謎が解けていくさまは爽快。話の展開に粗を感じるものの整合性はとれていて、SF好きには十分におすすめ出来る作品だと思います。最終話には意外と綺麗に纏まったのは良かったです。キャラが小学生のキャラがメインなので、ノリが少し稚拙な所は好みが出るでしょうね。{/netabare}