P_CUP さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
山田ファースト
山田が市川のどこが好きになったのか、と、疑問に思う勢がどうも多そうなので考察を垂れ流してみる。
{netabare}
そもそも、ちゃんと見てると分かると思うが、市川ってのはとにかく山田ファーストで動いている。
山田が泣いていたら、困っていたら、とにかく助けずにはいられないのが市川って男で、しかも彼は自分が助けたということを一切アピールしない。
3話のティッシュ並べのとこなんか顕著だが、泣いてる山田にポケットティッシュを渡したい→でも「これで涙拭けよ」とかやったらキモがられる、どうしよう?
そう逡巡した挙句、直接渡さずに回りくどい方法をとるわけだが、そもそもキモがられる(=自分が傷付く)のが嫌ならティッシュなんか渡さなければいい。
涙を拭くものなんか山田だって自力で調達するだろう。でも市川は山田が泣いてたら何もせずにはいられない。
自分が傷付くことなんかより、泣いてる山田を泣き止ませることの方が大事なのだ。
この辺り、一応のライバルと言える足立とかナンパイと明確な対比になっている。
2話の足立など、墓石に「山田家」と書いた(と誤解されてる)市川にキレて見せるのだが、明らかに点数稼ぎ。
足立は山田のために怒ってるのではなく、「僕は山田のために怒ってますよー」とアピールすることに必死。要するに自分のことしか考えてない。
相手に気付かれることを期待しての気遣いは気遣いの名に値しないのだ。
足立もナンパイも実はそれなりに真剣に山田が好きなのだが、やってることは自分本位。
これは予想だが、そのように自分本位に山田に言いよってくる男は他にもいる(いた)のだろう。
実際、1話でナンパイにLINEを聞かれたときに、無知な振りしてやり過ごそうとしてる。
(この時「何度も(知らない振りを)やってるから間とか完璧」と自分でネタばらししてることからも明らか)
そう、山田は身勝手に自分によってくる男どもにはウンザリしているのだ。
さて、我らが主人公の市川はどうかというと、先述のとおり、彼は(陰キャ故に結果的に、だが)身勝手に言い寄って来たりしない。
どれほどの手助けや気遣いをしてても、それを恩着せがましくアピールもしない。
だからこそ、いざ山田が今までの市川の気遣いの数々に気がついたとき、その気付きが好意へと一気に変化したのだろう。
(おそらく、見学行事のときのミルクティーの件がトリガーだったと思われる)
市川は山田に好意を寄せられるに十分な男なのだ。2期ではそれがさらに明確になるだろう。
少なくとも、凡百の甘々系ラブコメの、去勢済み没個性主人公と市川を一緒にしてはいけない。{/netabare}