てとてと さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
魔術系のラノベアニメ。魅力もあるが淡泊
ケルトやらソロモン王やら神道やら陰陽道やらのゴッタ煮な魔法使いたちが、仕事で事件解決していく感じのラノベアニメ。全24話。
※作品データベース様より転載
【良い点】
魔術や霊的な悪影響「呪波汚染」の解除を目的とするなどの世界観は魅力感じるし、ちゃんと生かされている。
主人公たちの零細企業的なアットホームな雰囲気。個々のキャラクターも悪くない。
マイナーなケルト魔術にスポットを当てているのは特有の見所。ソロモン王の悪魔たちの召喚魔法など、中二病的な外連味は十分。
洋の東西を問わない魔術ゴッタ煮感も好み。力押しではない、魔術の考証は中々凝っていると感じる。蘊蓄も興味深い。
普段頼りない主人公が邪気眼覚醒させて颯爽と社員たちを指揮するシーンなども、中二的にベタなカッコよさはある。
キャラデザや魔法アクションなどの作画、豪華声優陣、センスの良いOPとEDなど、アニメの作りは良い。
ダブルヒロインが魅力的。
関西弁の眼鏡っ娘ホナミ、金髪ツンデレお嬢様アディリシア(アディ)どちらも可愛く、テンプレではない独自の魅力があった。
ホナミちゃんはしっかり者、幼馴染、幼い頃の事件で主人公に引け目を隠し持つ努力家など。
アディちゃんもテンプレなツンデレと比べると落ち着いた令嬢な感じ、このふたりの主人公イツキを巡るライバル関係と絆は本作の見所。
13話、ふたりの修業時代のエピソードは本作で一番良かった。
ケルト魔術の凄みと幼いホナミの只ならぬ才能と覚悟、アディの魅力とその後のホナミとのユウジョウが分かる。
21話の百合結婚回も萌えた。割って入る主人公が邪魔だけど。
個々のエピソードもそれなりに良く出来ている回が多い。特に不快な話は無く安定して見られる。
伝承や怪奇な事件を扱った15話と16話辺りは悪くない。
時系列シャッフルしつつも個別キャラの掘り下げは一応丁寧に割り振られてはいる。
シャッフルはさほど悪いとは思わない。どのみち1話完結の連続なので、バラしたところで影響感じないので。
主人公イツキの邪気眼(妖精眼、グラムサイト)関連のエピソードで全編通した主軸はある。
【悪い点】
粒揃いにキャラクター揃っているように見えて、ホナミとアディリシア以外の印象が薄い。
特に主人公は普段優しいだけでうだつが上がらず、ピンチで御都合覚醒して俺ツエー、これが基本1話完結なので、魅力感じない。
事件の中心にいるようでいて、主体的に関われていない事が殆ど。そのためか、主人公絡みの話が軒並み淡泊。
釘宮ボイスでお兄ちゃん呼びな幼女巫女というおいしい萌えキャラなミカンちゃん可愛いし、19話20話とメイン張った割に、印象弱い。
幽霊の子も序盤主役回あったが1話完結で話が浅く、以降殆ど見せ場が無い数合わせ。
曲者ぽい有能男子な猫屋敷は良いキャラしていたが、言動も行動も予定調和で面白味は薄かった。
キャラ配置が淡泊で、掛け合いも弱く、キャラクター同士の相乗作用で面白味が生まれていない。ホナミとアディ以外が。
戦闘だけでなく作品として、このキャラが欠けたら成立しない、と思わせるキャラに、ミカンちゃん辺りが入って来なかった。
主要キャラ同士の日常シーンや、共闘での連携、交流などが、すっぽり抜け落ちている。
最初から同じ会社の一員として関係が固定され、視聴者向けに積み重ねが無いまま、淡々と進行していった。
主要キャラの個別回は用意されているが浅く、以降チームの絆にあまり生かされない。
1話完結の事件解決に忙しく、各キャラに愛着沸く余地が乏しい。
1話1話は悪くはないが、難解な魔術関連の話を1話完結で収めるためか、やや余裕が無かった。
悪くはないはずなのに、イマイチ印象に残らない。
全体構成としても、続きが気にならず盛り上がっていかない。全24話淡々と終わった印象。
異能バトルもバリエーション豊富に見えて、意外と引き出しが乏しい。
魔術系統の差別化が分かりにくい。
盛り上がりに繋がりにくいのは、キャラの印象が弱いためでもある。
【総合評価】4~5点
つまらなくはない。2クール見られる内容はあった気はするが、どうにも淡泊なアニメ。
この手の中二魔術的な作風が嫌いじゃないならば、そこそこ見られるかどうか。
評価は掴みどころがなくて迷うところ、悪くはないけれど良くもない「普通」