ガムンダ さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
SF と ファンタジー (≠SFファンタジー)
ソ連のボストーク計画をモデルとした人類初の有人宇宙飛行プロジェクトを背景としたおはなし。
この世界にはヒトの他に「吸血鬼」という種族が居てヒトに虐げられていると言う舞台設定で、国家の威信を掛けた失敗できない初の有人飛行の前に人ではない吸血鬼を飛ばして実験すると言う軸が一本。
その吸血鬼少女と彼女の訓練と監視を担当する宇宙飛行士(補欠)候補士官とのロマンスがもう一本。と言う内容です。
何となく内容を知っていた状態で観たのもあり、あまりインパクトがありませんでした。
上記の通り、
・宇宙開発プロジェクト
・種族を超えたロマンス
の二つの軸があり、それぞれとしてはしっかりしてるんですが、この場合中和されちゃってどっちも薄味になっている気がします。
それぞれ見応えのある定番テーマですから正直どっちかに集中させて欲しかったです。
着眼点は良かったと思いますが、この設定を生かすにはもっと作り込まないとダメだったと思います。
駄目な点を。
ネタバレ含みます。
【やっぱりご都合悪役】
{netabare}主人公の側以外の人物がストーリーを盛り上げる為のメタ的な行動をしてくれます。
例)
フルシチョフ役の人とその秘書官的な人がいつヒロインを抹殺するとも限らない悪役として登場しますが、最後に空気読んで主人公側に寝返る「実は味方でしたー」ENDなんですが、
どう考えても「だったら最初からやりようはあるだろ」なんです。
{/netabare}
【ステレオタイプ演出】
{netabare}状況設定固有の変数を考慮せずにただライブラリからコピペする様に演出する事は手抜き以外の何物でもないと思います。
例)
・ヒロインを見下すモブの悪意の表現
「フュイ~~イイヒャッハーレロレロ」みたいなその辺のモヒカン雑魚さんです。
紛いなりにも宇宙開発に携わる人達ですからそこそこの水準の教育を受けている筈です。
「インテリに悪い人は居ない」と言うつもりはありません。
敵意の現出の様相がチンピラのそれとは異なる、と言いたいのです。
・遠心加速機の所(ブレイカー無い訳ないだろと言うのは置いといて)のパワハラ上官。
そもそもこの国の体制はどのような幹部であってもいつ粛清されるかも知れない緊張状態にあります。
たかが現場の指揮官程度の地位であの様にあからさまに横暴に振る舞う事は出来ません。
作中で実際粛清されてますが、であれば最初からそんな態度を採るはずがない。という事です。
・善い人代表の主人公レフ君。
謙虚の表現として選出された時に一々「ヘッ?(私なんて滅相も無い)」的な反応がイラっとします。
イヤお前、選ばれる為に遮二無二やって来たんじゃねーのかよ。
「響けユーフォ」のレイナちゃんがソロに選ばれた瞬間
「へッ?私??」って言ってたらどうするよ。{/netabare}
というこのアニメも凡作の条件を揃えてしまっています。
単純に12話しっかり観ていられると言う意味では良いアニメだったと思います。
ハードル上がったが故の小言と思ってください。
北国の冷たい雰囲気も良かったです。