てとてと さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
カードゲームのキャラ世界観紹介的なオムニバス。とっ散らかってはいるが各話の内容は良い
カードゲーム原作、公式YouTubeチャンネルにて全10話配信されたwebアニメ。0話27分、他は10数分。
オムニバス形式でキャラや世界観を掘り下げる感じ、ポケモンの「薄明の翼」に近いコンセプトか。
※作品データベース様より転載
【良い点】
各話毎に作風が違い全く別の短編アニメを見ている感じだけど、各話の脚本は良く10数分で惹き込まれる内容はある。
各話主人公の掘り下げも10数分の尺で良く出来ている。
1話過去編で「ソマリと森の神様」とかでありそうな魔女狩りの悲劇からの、現代に復讐っぽい話だったり、
かと思えば刑事物や探偵物になったり、一見バラバラながら、通して見ればゼノンザードの世界観に通じてる(ぽい?)事が分かる。
オムニバスを通して見ると、近未来を舞台に人間社会に溶け込むAiの視点から描かれたSF短編集みたいな趣を感じる。
人間と相棒Ai(見た目人間、アンドロイド)が組んでカードバトルする世界観で、主にAi側の苦悩やドラマを描いた短編集として良かった。
6話のAiが能役者として能を舞う話は、哲学的なテーマも感じる。
人間の役者たちがAiに人間感情の機微は分からぬと決め付けるが、果たして?と考えさせられる。
7話のRPGアトラクションのやられ役Aiと、心優しき人間の幼女のハートフルストーリーも良かった。
どうやら各話の主役たちは基本的にAi達の模様、各キャラの個性は出せていた。
作画は良好。声優も豪華。楽曲の雰囲気も良い。
【悪い点】
良い点と裏腹、各話に纏まりが無い。予備知識が無いと各話毎に全く別のアニメに見えてしまう。
各話の内容は良いが、尺不足で物足りない面も。
続けて見れば何となくの雰囲気は伝わるが、情報が断片的で要領を得ず、纏まった世界観を理解しづらい。
1話の魔女迫害の話だけ浮いているように思える。
0話と最終9話が繋がっているが、日常回でアイリと親しくなる過程がすっ飛ばされていてイマイチ。
これらの点は「薄明の翼」が全体構成も巧かったのに比べて見劣りする。
肝心のゼノンザードがどういうゲームなのやらサッパリ分からず。
0話や8話でカードバトルシーンあるが、よく分からん。
【総合評価】6点
全体的にどういう話なのか分かりづらい欠点はあるが、SFオムニバスとしては結構面白かった。
6話7話など印象に残る短編もあり、視聴して満足感はある。
評価は「良い」