シボ さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
歌声に元気をもらえる、そんな作品でした。
チャットGPTを始めAIの話題を毎日のようにニュースなどで
耳にする日々。
朝、自分はアレクサの音声によって目覚める毎日です。
カーテンを自動で開けたりとかももうありますよね。
すでに現実世界で採用されつつあるテクノロジーを含めて
ちょっと先の世界では十分にあり得るような描写が序盤からいっぱい
出てきます。
サトミの母親が中心となって開発されたAIのシオン。
無許可の実証実験としてサトミのクラスに転入することになります。
自己紹介の場でサトミに「今、幸せ?」って問いかけ
唐突に歌いだします。
ちょっと不思議ちゃんだけど普通の女の子として受け入れられちゃう
シオンの技術って相当凄いんでしょうね~。
(ポンコツのAIってキャッチコピーですけど、ロボの
技術は相当なレベルで、こういうのはまだまだ実現は
先なんだろうなって感じがします)
シオンはことある度に歌いだしちゃう女の子です。
自分はミュージカル大好きなほうなので、あの唐突な歌や音楽は
好意的に受け入れられます。
まあ本作では
シオンは人じゃなくてAIだからって理由があるだけに
ミュージカルが苦手な人でも突然歌いだすシオンのことを
わりと受け入れやすいんじゃないでしょうか。
(シオンが歌う理由、伏線が後半明らかになることに
よってシオンの歌の素晴らしさ、輝きが増すんですよね~)
人間関係があまり上手くいってなかったサトミを取り巻く面々が
シオンと触れ合ううちに良い方へ変わっていきます。
ゴッちゃんとアヤのちょっとした言葉の掛け違いによるすれ違い。
人間なら思ったことを素直に言えない・・ってありますよね。
シオンの歌声、思い出を想起させる演出にのせられての
愛の告白!
あ~自分もケンカの時、シオン欲しいかもww
(もしかしたら場の雰囲気で仲直り・・って無理か~~><!)
サンダーとシオンの柔道での踊るような乱取り稽古。
社交ダンスばりのリズミカルなレッスン、軽やかな歌声が素敵なんです!
ポンコツどころか優秀すぎじゃない?シオンって。
こんな稽古で勝てるようになったらAIでも好きになっちゃいますよね~。
サトミが本当にボッチだったの?ってくらい友達に囲まれてるって
ありますけど、それが良いやつばかりってのは悪くないです。
サトミにいつも幸せかを問いかけ行動するシオン。
終盤、暴走ぎみにトウマを巻き込むシーンは少々AI怖いかも
ってなりかけますけど
美しい月明りのもとで、花火が乱れ飛ぶ中
ディズニー映画のクライマックス?のような素晴らしいシオンの熱唱は
そりゃサプライズの告白にピッタリって盛り上がりました。
だけど盛り上がってる最中に会社に回収されてしまったシオン。
この作品の真のクライマックスはシオンが
サトミを幸せにするために行動し続ける理由が明らかになった時でした。
サトミを子供の頃から、身近で見守り続けてきたメモリー。
「サトミを幸せにすること」
誕生した時からトウマの気持ちを宿して自己進化してきたAI.
なぜ歌い踊るのか、幸せかを問い続けるのか・・・
「サトミ・・・・サトミ・・サトミ・・・・・」
稚拙ながらも数えきれないくらい呼びかけ
いつでも励まし続けて寄り添い歌い続けてきた事実。
執念ともいえるAIシオンの想いが明らかになっていく展開は
めっちゃ泣けちゃいました~~~><!
AIを題材にする作品はその設定や矛盾を探す目に常にさらされて
批判されちゃうのかもしれません。
自分は難しいことは分かりませんけど
高校生の彼ら、彼女達がちょっとしたきっかけをシオンに与えてもらって少し幸せになっていく、そんな優しい物語が楽しかったです。
シオンの人間とは違って良い意味で空気を読まない行動力に
ふと警戒心緩んで本音を引き出しちゃうのかもしれませんね。
いつしか
シオンを本当の友達のように感じ、彼女がピンチになった時
助けようと必死に行動していく姿は良かったな~。
命令されたことを追い求め続ける、ある意味人が執念と呼ぶくらいの
途方もなく学習し続ける能力は時に想像を超える結果を生む可能性
もあるし怖さもあります。
学習し続ける先が人類の幸せになる道と一緒であって欲しいし
シオンのようにただ一人の幸せを考え続け見守り続けられるような
優しい進化を続けて欲しいです。
土屋太鳳さんの演技、歌声が好印象な素敵な作品でした。