てとてと さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
本にまつわる英国風ダークファンタジー。惜しい面はあるが捨て難い魅力あり
オムニバス形式な軽めのダークファンタジーというか、ちょっとフシギな話。
※作品データベース様より転載
【良い点】
作品全般に漂う雰囲気。第一次世界大戦後のイギリスを舞台に、幻想オカルト絡みの独特な雰囲気自体が良い。
作画は当時のイギリスっぽい風俗や、幻想的世界観を綺麗に描けていて、ダリアンのキャラデザ含めて絵的に楽しめた。
楽曲も良く、OPは雰囲気良かった。
ヒロインのダリアンが可愛い。口の悪い生意気幼女でありがちなキャラかも知れないが、可愛いものは可愛い。
主人公のヒューイも若き英国紳士らしい物腰や、いざ修羅場となれば果敢に戦う好感の持てる主人公。
今時(1920年代)な女の子のカミラもユーモラスで可愛かった。
1回辺り1話〜2話のオムニバス形式でテンポ良く見やすい。
個々のエピソードの内容が良く、幻書という謎アイテムにまつわる怪奇や悲劇を、各話ゲストキャラたちの想いに絡めていく。
カミラ絡みのちょっとコミカルな話は後味が良かったり、換魂の書みたいな人間の業や狂気の凄みがある話、魔術師の娘や幻曲のような造られし儚い命の人間らしさ求める話で少し感動させたり、時に物語の世界内のファンタジーだったり、話にバリエーションがある。
焚書官コンビの話が一番良かった。何となくキノの旅っぽい。
全般的に、仮初の命を題材にした良エピソード多かった印象。
幻書詠唱シーンも良い意味で中二病感あり、かつ詩的なセンスが良かった。
説明不足な点は多いものの、ヒューイのキャラ背景は最終話手前などで一応掘り下げられた。
最終話は唐突ながら、幻書に関わる三組の邂逅回として、続きが気になる原作促販的な見どころはあった。
【悪い点】
全編を貫くテーマというか、ヒューイとダリアンに関わる本筋のドラマが終始不明瞭。
ここが本作が地味に感じる要因か。ヒューイとダリアンが分かり易く絆が掘り下げられる描写も不足気味。
ヒューイにとって大切な存在であろう謎の少女との経緯も、最終話唐突でよく分からない。
ゲストキャラの方が目立っていて、ヒューイとダリアンは脇役になりがち。
焚書官組が一番面白そうだったが1話で終わってしまう(最終話でちょろっと再登場したが)。勿体ない。
【総合評価】6~7点
オムニバス形式のファンタジーとして趣味の良いアニメ。作風自体がかなり自分好み。
地味で物足りない面が目立つものの、悪い内容ではないと思った。
評価は「良い」