二足歩行したくない さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ある島の、ある夏のこと
網代慎平は、漁業と観光で成り立っている故郷の島に、幼馴染の葬儀に参列するため2年ぶりに帰ってくる。
久しぶりの故郷の懐かしさと、そして、幼馴染である小舟潮の死にショックを感じながら手を合わせるのですが、そんな中、潮の死に不審な点があること、他殺の可能性があることを、親友・菱形窓より打ち明けられる。
また、潮の妹澪からは、生前潮と一緒に潮そっくりな人物を見たことを聞かされ、島には『影の病』と呼ばれる、自分そっくりの人間を見ると死んでしまうという伝承があることを知る。
『影の病』について詳しく知ってるかもしれないと、慎平と澪は日都神社へ向かうが、その途中で澪そっくりの人物に出会い、そして。
和歌山県紀淡海峡に浮かぶ人口700人ほどの離島「日都ヶ島」。
この小さな島を舞台にした、サスペンス作品です。
他の方も書いている通り、序盤はシュタインゲートやリゼロのようなタイムリープもので、見覚えある設定と感じたのですが、ただのタイムリープものなのは最初の方だけで、途中から"ただタイムリープしているだけではない"ことが判明します。
どうしようもない状況になっても繰り返せるという希望、あるいは、どれだけ頑張ってもどうせリセットされる絶望、どちらでもなく、タイムリープするがひと続きで、タイムリープするが制限時間があるという状況の描写が非常にうまいと感じました。
大勢の罪のない人が、子供が、家族が、何もわからないまま殺され、しかもそれに他の人は気づかないという恐ろしい描写が多々あります。
殺しのシーンには直接的な描写もあり、グロいシーンもあるので、メインビジュアルは爽やかですが、子供向けではないです。
それほどグロいと感じるようなシーンもないので、普通にアニメを見ている方は問題ないと思います。
サスペンス要素強めの設定ですが暗いムードはなく、先の展開が気になる作品でした。
残念なのは、敵の存在がはっきりした終盤は、主要人物たちにそれぞれ得意武器のようなものが備わり、バトル・アクションっぽくなってしまったところですね。
特に南方ひづる、根津銀次郎は人外じみていて、序盤の雰囲気が薄れていきます。
それ以外は素晴らしかった。2クールで伏線はすべて回収されています。
女の子が、特に小舟澪がかわいかったのも良かったです。
和歌山が舞台ということもあって、キャラクターは全員紀州弁を話すのですが、澪の紀州弁が方言萌えやばいです。
褐色妹の方言で、登場するたびにニタニタ止まらず、澪だけでご飯3杯はいけますね。
独占配信をしていたため、終了後しばらく経ってから話題になった作品ですが、媒体によっては覇権となっていたのではと思います。
後追いでも話題になったことがうなずける名作です。