「イエスタデイをうたって(TVアニメ動画)」

総合得点
76.4
感想・評価
482
棚に入れた
1745
ランキング
717
★★★★☆ 3.6 (482)
物語
3.5
作画
3.7
声優
3.7
音楽
3.5
キャラ
3.5

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nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

モラトリアム軍団のもどかしさを楽しむ話?結論が性急かな。

「ハチミツとクローバー」のハグちゃんの天才性の話を失くして、現実にグーッとフォーカスしたような青春群像劇です。群像すぎて登場人物はかなり多いです。カメラマンとか美術とかもかなり雰囲気は似ています。モラトリアム設定にぴったりなのでしょう。年齢層のわりにはかなり子供っぽい造形で、その点ではハチクロの大学生というほうが説得力はあります。

 本作もハチクロも発表年はほぼ同時期なので、2000年前後の青春模様はこういう感じだったのでしょう。モタモタグダグダでちょっとイライラします。どこまでヘタレぞろいになったらそんな面倒な関係性になるんだ?草食系過ぎるだろうとイライラしますが、だがそれがいい、というタイプの話という事です。

 面白いですけど、爽快感がないです。なんでストレス溜めながら作品を見ているのか不思議になります。ただ、それだけキャラが良く動いていたということでしょう。

 全体的に家庭とか過去とかが説明臭いのが難点といえば難点ですが、バックグラウンドがキャラの理解につながる部分もあるので、許容範囲といえるでしょう。題名が「イエスタデイ」ですからね。それがテーマで昔に捉われた男女の物語なのでしょう。


 キャラですけど、主要キャラは4名です。

 主人公が魚住陸生…陸に住んでる魚ですから意地悪な名前です。要するに前に進めていない状態なんだと思います。秒速5センチメートルもそうですけど、男は過去の恋愛を引きずりすぎです。せっかく可愛い娘が言い寄って来てるのに本気で馬鹿じゃないかと思います。森ノ目榀子は性格が良さそうに見えて、無自覚悪女の典型です。

 そして、ダブルヒロインの一人、森ノ目榀子。これが本当にムカつきます。完全に男を駄目にするタイプの依存女です。大人しい感じで八方美人で誰も拒絶せず。ただ、距離感を保って自分の都合のいい場所にいて欲しい…モラトリアムの典型です。

 対してダブルヒロインのもう一人。野中晴。こちらは可愛らしくて応援したくなります。年齢は別にしてこういう素直に好きだと言ってくれるヒロインをなぜ漫画の世界では主人公は拒絶するのかが不思議でしょうがありません。カラスがもうちょっとこの娘のキャラの奥行に寄与して来ればもっと良かったと思います。
 それと、主人公が写真の道に本格的に進むきっかけにもうちょっとこの娘が絡んでいた方が、物語としては説得力があった気がします。美術学校に勤めるなら早川浪と一回くっついたほうが、かえって説得力がある展開になったかもしれません。

 で、その早川浪も出てきます。この4人が中心ですが、早川浪は出番は多いわりに存在感が薄い可哀想な役柄です。いなければ森ノ目榀子のキャラが成立しないので必然性はあるキャラですけど。病気の兄を好きだったヒロインに恋する惨めな役回りです。

 結論は納得がいくので視聴後にカタルシスがあって良かったと思います。が、そこに至るプロセス、展開に盛り上がりが無かった気がしました。せっかくキャラを一生懸命描写していたのに、なぜそこをそんなに急ぐ?という最終回でした。

 冬目景氏の原作ということで、あの独特の風合いはさすがにアニメでの再現は難しかったと思いますが、作画自体は良かったと思います。

 本作は原作を読んでなかったので、読んでみようと思います。その上で感想あれば追記します。

投稿 : 2023/06/11
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サンキュー:

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