てとてと さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
大正ロマン乙女ゲー系。世界観とヒロインの芯が通っていて面白かった
オトメイトの乙女ゲー原作の大正浪漫逆ハーレム幻想奇譚。
呪われた?本の気配察知できるヒロインが、呪い本対策部隊?のイケメンたちにチヤホヤされつつ活躍する。
※作品データベース様より転載
【良い点】
大正時代と本にまつわる幻想的な雰囲気。
作者の強い情念が籠った魔本「稀モノ」によって引き起こされる事件や悲劇、その稀モノを追う組織「フクロウ」など、本を中心に幻想奇譚になっている。
魔本題材の「ダンタリアンの書架」よりも本作の方が本をちゃんとドラマに活かせている。
稀モノによる事件を同僚と共に追っていくというアドベンチャー要素で続きが気になる構成、ちょっとしたサスペンスやロマンスが豊富。
男性陣もタイプや立ち位置の異なるイケメン揃いで中々層が厚い。
一人一人の魅力を丁寧に描けている、ヒロインに対する距離感も繊細。
同僚、敵対組織二つの三つ巴で各々抱えているドラマに、ヒロインが主体的に関われている。
思惑の異なる陣営複数で実はスパイか?などの疑念や謎要素もあり、飽きさせない。
ヒロインの久世ツグミが乙女ゲーヒロインとしてはお人形に留まらない存在感あり。
稀モノの気配「アウラ」察知できる切り札的な異能でイケメンたちの組織からチヤホヤされうる説得力がある。
没落華族の子女で弟の自殺未遂に苦悩するなどのキャラ性もあり、他の苦悩する男性陣を思いやる優しさも十分。
異能ばかりに頼らず、己の意志や考えをしっかり持って行動できる強い女性。
アウラが見える能力で健気に頑張る、立場の異なるイケメン達との交流も自分なりの意見や意志を示して関係を動かしていく力があった。
襲われちゃったり、王子様たちが助けに来てくれたり、実に良いヒロインポジション。
さほど勝気なタイプでは無いが、奥ゆかしくも強いヒロイン。かわいい。
作画は概ね綺麗でキャラデザもオトメイトらしい可愛さあり好み。
声優陣が豪華なのは勿論、木村珠莉氏はヒロインの地味だが意志の強そうな性格良く出せていた。
【悪い点】
強いて言えば強く盛り上がるようなドラマチックさは控え目。
男性陣の掘り下げは人数の割には良かった気はするが、話数に対して数が多いので駆け足気味、特に終盤はやや惜しかった。
ラブコメとしては広く浅い、このジャンルの1クールアニメとしては標準的なので悪いとは言えない。
ストーリー重視で逆ハーレム感は控え目、男性視聴者的には見やすいので必ずしも悪い点ではない。
(4点にやや届かない)
アクションシーンは地味。とはいえ乙女ゲーアニメなのであまり重要ではない。
大正浪漫要素も地味。まあここはフレーバーなので別に評価下がらない。
【総合評価】6~7点
オトメイトの乙女ゲーアニメの中ではかなりの良作。
キャラクターとストーリーがしっかりしている。
評価はとても良いか迷うがやや惜しい「良い」