薄雪草 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
新しい、と思う
入学早々、期せずして、ミツミには二つの色がついた。
言うならレッテルである。
スクールカーストに当てはめるなら、致命傷にもなりかねないのである。
だけれど、そんなのは、なんてことのないミツミなのだ。
すなわち、彼女の志をうかがえば分かる。
目指すは、T大法学部なのである。
中央官僚であり、地元の市長であり、死せば海に還ると宣(のたま)う規格外の大志が彼女の原動力なのだ。
日本を股にかけようとする未来地図には、LGBTも、陰キャも、陽キャも、言うなら世間の風聞などどこ吹く風。
踏みだす一歩がレインボーに輝くのも、何ものにも染まらず、何ものをも染めあげる大きな夢が彼女を支えているからと嬉しくなる。
このキャラはかなり特異だ。
彼女は、常にチャレンジャーであり、変革者であり、フレキシブルであり、フラットであろうとする。
性格の良さと行動の強みで周囲の者にバランスの感化と開花を与え、さらに新しい価値観を掘り起こし、伝播させる予感さえ期待させる。
いろんなジャンル、設定、キャラ付けの主人公がいるなかで、ミツミは努力に培われた知性に長けている。
おまけに、真面目で実直で、なんとなればおバカだって自信満々にこなせる度胸と愛嬌さえも。
そんな物差しで、出るところは一歩出て、控えるところはわきまえる。
彼女のモノローグに、色褪せてしまった記憶がなぜだか再映されてしまう。
その共感が不思議と気持ちいいのは、なぜなんだろう。
よく「等身大で」とか「ありのままで」とか「自分らしく」とかは言われるけれど、実のところそこを下支えするのは「なりたい自分になる」というキモチだと思う。
そこに見つけられるのは、自分への「絶対的な信頼感」だろうか。
それとも自分を叱咤激励する「自制心の高揚感」なのだろうか。
ミツミという人格は、きっとそれを体現しているのだろう。
キャラデザも、物語の設定も、声優さん(黒沢ともよ氏)も素晴らしいハマり具合だと感服している。
つまりは、そう。
新しいものを見させてもらっているという感覚になる。
なんだかものすごいエッセンスとファクターとでちりばめられている嬉しさに気づくのだ。
たぶんそれは、今を、今までを頑張ってきた自分への感謝、なのかもしれない。
一つ付け加えるなら、本作には余分な大人が登場してこない(今のところは)。
高校生ともなれば、自主自立を基本と確立する頭脳が備わる頃合いだ。
だから、その配置と演出がどうにも心憎いではないか。
よけいなノイズは不要とばかりの潔さであり、それゆえにどの世代層の心情にも訴求しうる構図がありありと見て取れる。
面白いのは、いきなりの遭遇だったモデル嬢には、思わず「のきゃ!?」と地声なミツミだったけれど、それさえも同世代間に共有しうる枠組みの内側に囲っている。
つまり、彼女のシマ君を気遣う日常風景の一コマという設定に収めてあるのだ。
しかし、この伏線には強く興味を惹かれると明かしておこう。
東京都と凧島(いかじま)町との対比は、彼女のメンタリティーのON・OFFを上手く表わしている。
そこには対立や相剋の要素は見られず、むしろ同化と融和を強く感じさせている。
スイカをかじるシャリシャリ音に、ほのかに甘いノスタルジーに絆されてしまったのは、いかにも心にくい演出と頷くばかりである。
彼女は、その甘味を新たなエナジーに変えて、東京で成長していく自分へと向かうのだ。
アニメーション制作は富山県南砺(なんと)市の「ピーエーワークス」が担っている。
東海北陸自動車道、城端(じょうはな)SAのすぐ南にあり、東京以外で元請制作を手掛けるアニメ制作企業でもある。
密かに応援しているのは「さよ朝」の美術に惚れ込んでしまったから。
もちろん、本作にも、今期一押しの期待が膨らんで仕方がありません。
楽しい!!
10話。
{netabare} 母の期待に応えたい気持ちはあっても、逃げ出してしまったヨハンに自分のキモチを投影してしまうシマ君。
自分が手放してしまったものがミツミにはあって、それに憧れてしまった気づきに、嵐へと一歩踏み出す彼なんだ。
どんなにド派手に転んでも、いつだって一つのカタチにまとめ上げていくのがミツミの強さ。
だったら、シマ君も負けてはいられないよね。
今回のキーワードは「道を選びきる」。
"小さな薔薇" の歌あわせが、二人のキモチを膨らませたんだね。
チェリーなボーイ&ガールは、コロコロ転がるほどに瑞々しいんだよね。
高みは、いつだってその手のなかにあるんだものね。
そろそろ馴染んできたローファーで、スキップも楽しみたいよね。
{/netabare}
11話。
{netabare}
シマくん、一歩も踏みだしていなくても、嵐のほうから踏み込んできましたね。
なんでもないていで日常を "演じている" シマくんだから、その舞台でしか自分を作れないし、変えられない。
その時、彼の支えになるものはなんだろう。
何を頼りとして踏ん張るんだろう。
ヒントも伏線も、ミツミの周りに張り巡らせてあったみたいだけど、ね。
{/netabare}
12話
{netabare}
天 尊く
美津未、たち 皆
こゆる 秋 ♡
めっちゃ、面白かったよぉ〜〜〜!!
{/netabare}