てとてと さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
重厚なダークファンタジーで見所は多かったが、全般的に今一つ
重いバックボーンなダークファンタジー。
南北戦争っぽい舞台設定でベトナム帰還兵めいた苦悩?な異形変身バトル系。
※作品データベース様より転載
【良い点】
擬神兵以外には魔法や超技術はあまり無い、泥臭い舞台設定。
戦争後のつかの間の平和な時代で、戦争の負の遺産に苦しむ人々のドラマ性。
文明水準は戦車や航空機未登場だが鉄道は普及している辺り、軍隊の装備や戦術など、中々渋い世界観。
モブ軍隊の武装や戦術も結構しっかりしていて、超人バトル以外でも見応えがある。
ヒロイン・シャールの魅力。
芯の強い少女で、重いバックボーン背負っているハンクやその他との交流で成長する。
最終的に、ハンクに共に生きよう、人間でなくなったら私が殺すと言える強いヒロイン。
可愛げのあるシーンも多く、彼女の可愛さで暗くなりがちな本作大分救われていた。
ハンク回よりも、シャールメインの回の方が面白い。
8話の人魚擬神兵との交流劇が切なく美しい良エピソード。
【悪い点】
テーマが今一つ不明瞭。
偽りの平和の欺瞞を暴くというわけでもなく、人間賛歌というわけでもない。
かつての仲間たちを狩るハンクの「人間でなくなった俺たちは存在してはいかん」的な主張は理屈は分かるが、人間至上主義な上から目線に感じる。
敵側の諸々の主張の方が説得力あるじゃん…と思わされ、頑なにこうあるべき!なハンクに説得力が乏しい。
そのためか、全般的にすっきりしない。
ハンクの昔の仲間のエピソードがどれも似たような悲劇で、作風が暗い上に単調。
敵ボス・ケインが暴れる回は派手ではあるが安っぽい印象。
中途半端なところで終了。
原作のハンクにとってターニングポイントとなる重要エピソードまで行かず終了していて、アニメ化部分だと今一つ盛り上がらない。
【総合評価】4点
舞台設定は重厚でヒロインも良かったが、ドラマは微妙なところ。
ドラマの微妙さは、重苦しい設定の割には意外と見やすかった面もあり、良し悪しあり。
評価は「普通」