ウェスタンガール さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
Sur tes pas
メタルユルラン誌に代表されるBD(バンド・デシネ)、その伝統を受け継ぐ背景描写の美しさと、ワクワクするような異世界感。
そして何より、その中を縦横無尽に駆け回るキャラ達の生き生きとした姿が魅力だ。
日本のアニメとゲーム、特にドラゴンポールをこよなく愛する監督ならではの親しみやすい面々がそこにいる。
ただしその内面には、自らの個性や主張を大切にするがゆえ、他者と率直に意見を戦わし、パートナーや友人との繋がりを求めて行こうとする、フランス人気質とでも言うべき“個人主義”的性格が付与されており、当初は共感に時間を要するかもしれない。
実際私もそうであった。
しかし心配はご無用。
何と言っても、シーズン毎に強く魅力的な変身(ネタバレ)を遂げてくれるツンデレ戦士のエバンジェリン、フレンチロリータの化身であるアマリア嬢、二人のヒロインの活躍とサービス回も含めた一挙手一投足に、また、初めの頃はそれほど魅力を感じなかったイオップ頭のパンパンと魔剣ルビラックスの騎士物語(元ネタはローランの歌)に、何より(ネタバレ)ロマンスの行方に目が離せぬこととなるはずだ。
旅の始まりは、好奇心と打算、後悔と使命感であったとしても、それぞれが秘めた、内なる衝動の在処を探し求めるストーリーが動き出す時、シーズンを重ねる度に、友情と愛が突き動かすロマン溢れる物語に変化してゆく。
ノックスを始め、心揺さぶる敵役(他はネタバレ)の計略と、ゾクゾクするようなギミックの数々をして、飽きさせる事なく3シーズンを駆け抜ける原動力となってゆくのだ。
ゴシックメタル調のサウンドと外連味たっぷりの歌詞が織りなすオープニングがまた良い。
TV Size ver.では聞くことができないBメロ最後の一節がメインテーマとなる。
Je marche sur tes pas
私は歩く、君の足跡を辿って…。
意訳するなら、“共に歩もう”、と言ったところであろうか。
シーズン4が待ち遠しい。
トフ兄弟団、永遠なれ。