てとてと さんの感想・評価
3.4
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
歌と時を巡るファンタジーで雰囲気は良かっただけに惜しい
LIDENFILMS・ドワンゴ共同制作のオリジナルのファンタジーアニメ。
歌手・鈴木このみ氏の声優初主演(初出演は黄昏乙女×アムネジアのモブ)である。
※作品データベース様より転載
【良い点】
「歌」を物語の中心に据えたストーリー。
ダブル主人公の片割れのフィーニス演じる田村ゆかり氏も歌はお手の物、楽曲面で雰囲気を出していた。
鈴木このみ氏が演じる主人公・リンの前向きなキャラクター。演技は拙いながらもキャラには合っていた。
リンの弟で発明少年アルが発明でピンチ切り抜けるのは「不思議の海のナディア」のジャンを彷彿とさせる。
どちらかというとリン一行の話、冒険パートの方がまだワクワク感、面白味があった。
刻を超えた壮大なストーリー。中盤以降明かされる真相が大スケールで驚かされる。
全体構成も最後まで見れば理解できる、メインである歌を中心に回る物語として成立している。
作画も悪くはない。
【悪い点】
前半の不快感が酷すぎる。
物語の構成上の必要は分かるが、軍国主義の悪党が露悪的過ぎるのもさることながら、フィーニスの恋人の善良な騎士が、悪意に為す術なく踏み躙られるだけの展開は、不愉快。
とにかくフィーニスを絶望に追い込む為だけの展開を延々見せられても萎える。
不快感抱いたまま中盤の新展開でリセット、物語の驚きの構造知らされて後半〜終盤突入するも、留飲が下がるわけでもない。
ポッと出の将軍なんぞよりも邪悪王子を倒すべきだろうに。
全体構成も、最後までしっかり見ないと戸惑う展開多々。
最後まで見れば真相は理解できるが、それに伴う物語上の感動は今一つ。
テーマも今一つ分からない。
フィーニスの遙かな刻を超えた愛かと思いきや、後半以降は単なる破壊神な舞台装置と化している。
リンが世界を救うのも、単なるなりゆきに見えてしまう。
総じてカタルシスに欠ける。
【総合評価】2~3点
物語の発想は悪くはなかったが、今一つ面白くなかった。
脚本ありきで終始キャラが翻弄されている印象。
フィーニスの悲劇と破壊願望は終盤に回想でちゃっちゃと流し、あくまでリン主人公で筋の通った話にした方がよかった気がする。
評価は「悪い」です。とても悪い程には悪くはない。