てとてと さんの感想・評価

3.1
物語 : 2.5 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態：観終わった

大筋の舞台設定やストーリーは悪くないが、キャラ多過ぎて分かり辛い

都市の時空が消滅してしまう領域?を巡り、ヒロインと目的地目指す?群像劇?全12話。
※作品データベース様より転載

【良い点】
SF作品?としての謎の提示や、大筋のストーリーは悪くない。
都市から時空が失われ?内部ではループしてる?謎めいた「ロスト」事件や、ロストのカギを握るヒロインを謎の敵組織から
救出して彼女の父に会わせるるべく活劇するボーイミーツガール要素など、序盤だけ見れば王道的な面白味感じる。
中盤以降は群像劇の様相を呈し、敵組織との抗争や、各々がロストの悲劇を様々な想い背負って生きてきた事、
その過程で少しずつ真相を追っていく展開は(面白さはともかく)1クール興味を引っ張るだけの内容はあった。
9話以降物語の真相やヒロインの存在意義が明かされ、ラストも一応完結する。
中盤までの各キャラの過去回想も合わせ、最終的にはこういう話だったのかというのはちゃんと分かるため、完成度は中々。

ヒロインのユキ以外の主要キャラ(タクヤやギーク)のドラマとしては悪くなかった。
ギークの一途なアイドルオタクぷりは3話好感持てる、一見本筋と関係ないアイドル話も、通してみればテーマに繋がると分かる。
一見浮いているアイドルが本作のテーマ上大事、ラストのユキの選択についても
ユキ本人は微妙だけど、群像劇を知っている視聴者目線ではある程度納得出来る。
サブキャラのドラマはあながち無駄ではない。ユキのドラマからは外れるとはいえ。

タクヤのバイク(スクーター?)アクションの外連味は本作一番の見所。

花澤香菜氏が歌うカバー曲が良曲な上にストーリーに合っていた。
本編がイマイチ分かりづらいのを補足、テーマを伝えていた。

【悪い点】
キャラが多過ぎる上に説明不足のまま進行、ストーリー追うのに精一杯でキャラ覚えたりドラマに没入する余裕が無い。
序盤以降本筋と思われたユキの存在感が希薄なまま、次々と新キャラの話が展開していき混乱しがち。
ここにチープなスタンドバトル要素加わり、これも説明不足なので現在どういう状況なのかが分かりづらい。
ここら辺は根気よく見ていけば最後には理解は出来るんたけど、途中経過が面白くない。
各キャラに魅力感じるには到底物足りない。
終盤の結末に大半のサブキャラが蚊帳の外なのも盛り上がりに欠ける。

ヒロインであるユキの存在感が弱すぎる。
終始受け身で、ユキ自身が物語の核ではあっても、ドラマには全然関われていない。
9話以降重要度は分かり易いが、与えられた立ち位置に過ぎず、ユキ自身がどうしたいか?の積み重ねが乏しい。
父の真意や母の愛など、9話に開示されるのでは遅すぎる。そこからユキの葛藤掘り下げる暇も無し。
他キャラとの交流掘り下げも手薄、特にタクヤとは折角いい感じの王道カップリングなのに全然進展せず。
それ故にラストの選択の説得力もイマイチ。
この点は視聴者目線ならば他群像劇でぼんやりと伝わるものの、ユキ本人の物語としては微妙だった。

バトルもチープ。ペルソナっぽいスタンドバトルの絵面が安っぽい。
スタンド化したキャラたちとの関係は終盤判明するが掘り下げ不足、途中経過が意味不明。

【総合評価】3～2点
キャラ出し過ぎて処理できていない、ゲーム原作にありがちな駄作。
とはいえ根気よく通して見れば、著しく悪い作品でもないかなと。
他レビューで書かれている通り、2クールあるか、キャラ絞るか、ユキにフォーカスしたドラマ構成であればポテンシャルは高かった。
評価は悪いが妥当だと思うけれど、2回(リアルタイムと最近)完走してみて、微妙だけど捨て難いと思わせたので大甘で「普通」

謎の災害で時空歪む領域、それにまつわる異能バトル、花澤氏少女ヒロイン、を守る男…
「DARKER THAN BLACK -流星の双子-」少し彷彿。序盤だけだけど。

SF設定とテーマ的には「ゲキドル」も若干想起。アイドル物だし。