あと さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
壮大な世界観で人間の倫理観や未来を問いかけるSF作品。
今から1000年後、人間が特殊なサイコパワーが使えるようになった日本のある町で育った渡辺早季という少女が冒険を経て成長し、町やこの世界の真実を知り、その後の暮らしの中で友達を失ったり魔物と化した化け物たちと戦った記録を一人称視点で語る壮大なお話でした。
まず、あまりにも物語の世界観が壮大であり、自分の信じてきたことや価値観が物語が進むに連れ歪んでいき、何を信じていいかわからなくなる上にその自分の記憶さえ信じられなくなるという、これぞSFといった奇妙で、果てない展開が目まぐるしく続き、衝撃の連続でした。こんな深く中身のあるアニメはあんまり見ないので、とても素晴らしい作品でした。何しろ、とても考えさせるし、自分の価値観が作れれてきたものだったら?この平和な街が人々の洗脳と残虐行為から成り立っているとしたら?私たちていったい何?といった根源的な話まで、一人称視点で進むからこそ悩みや葛藤が直に伝わってきて考えさせられるアニメで、すぐ隣りにいる人の考えも全くわからなかったところが良かったです。物語の面では極めて深く濃密な構造であり、謎もたくさんあってそれが解かれていく過程も楽しい作品なので、何度も楽しめて、様々な人によった解釈ができる作品だと想いました。
また、アニメを印象付けるようなギミックがかったSFチックな演出や音楽があり、サバイバルアクションであったり謎解きだったり青春だったり戦争モノだったり、このアニメだけで様々な要素を複合たこの作品の良さを表現していて、たいへん楽しめました。
このアニメは深い哲学的なテーマを探求しながら、壮大な世界観と複雑に交差するキャラクターたちの思惑と、主人公の思いが存分に描かれた作品で、大変面白い作品でした。