tinzei さんの感想・評価
2.9
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
方向転換はあったけど…
全6話×約30分のOVA。『戦え!!イクサー1』の続編。
前作、ラスボスのビッグゴールドの端末を始末していたイクサー1だったが端末の一人ネオスゴールドに苦戦し逃がしてしまう。地球へ向かったネオスゴールドを追うためイクサー1は新しく作られた妹イクサー3を向かわせる。
前作からの続編で制作会社は同じだけど、制作陣は監督以外変わってる。そのせいなのか時代のせいなのか分からないけど、若干作画は違う気がする、といっても指摘できるほどの大きな違いじゃないから、気のせいかもしれないけど。
前作は登場人物も少なくて設定もシンプルで観やすかったけど、今作は敵も味方もキャラが増えて少し物語が複雑になった。ただロボ戦闘がメインだった前作と違って今作は白兵戦が中心になったから、戦いのバリエーションが豊富で観てて楽しかった。
今作は一部キャラに本職じゃない声優を起用してる。本職じゃない有名人起用は悪くないんだけど、主人公格のイクサー3に女優でもないプロレスラーを起用したのは意味が分からない。しかも軽く調べた限り、このOVAが発売されたときはまだそこまで女優経験が無い時で、声聞く限り「練習はしたんだろうな…」とは思ったけど、ネオスゴールド役の高畑淳子と比べるとかなり酷かった(まあ高畑淳子が上手いっていうのもあるけど…)。
前作の特徴の一つだったグロさはかなり軽減されてる。前作は敵のビジュアルも気持ち悪くて、人間のやられ方にもグロさが強調されてたけど、今作はそもそも人間がやられるシーン自体が少ない上に、敵の姿も人型だから気持ち悪さもない。強いてグロいと思ったのは、虫にやられた人間の死体ぐらいだけど、それ以外は全くなかった。
前作に少しだけあったエロもなくなってる。相変わらず渚がロボに入ると裸になるけど、今回は胸当てがついて乳首が出ることもなかった。
全体通して方向転換があったけど、ボリュームが増えたおかげで前作になかった見応えがあって良かったし、戦闘に関しても、個人的にはロボ同士の戦闘の方が好みだけど、このシリーズに限ってはそもそもロボ自体が好みじゃなかったから、白兵戦にシフトしてくれてよかった。
ただそのせいか前作にあったモンスターデザインの緻密さと作画の細やかさは失われた気がする。敵が人型になってキャラが増えたおかげでキャラデザの見ごたえ(キャラのバリエーション)は増えたけど、発売当時はともかく、今こういう作品に求められるのは、可愛いキャラよりもモンスターやロボットの特徴的なデザインだから、理不尽な評価になるけどデザインも含めるとアニメーションの質自体は落ちたと思う。
【各話あらすじ】
・1話
イクサー1はビッグゴールドの端末たちを始末して回ったが、ネオスゴールドという端末が力を蓄え、地球へ部下を送る。
ある時、土星周辺にいた防衛軍の戦艦がネオスの部下にやられ、月面基地でバイトをしていた渚(前作の渚とは別人)はそれを感じ取る。
ネオスの部下たちは地球を襲い、防衛軍を壊滅させる。月面基地も襲われ渚と友達の可愛と野人と共に新造戦艦のクイーンフジに乗り込もうとする。
しかしネオスの部下ファイバーが彼女らを殺そうとする。するとそこに少女が現れ、ファイバーを攻撃する。
その少女はネオスとの戦いで地球へ行けないイクサー1が送り込んだ妹イクサー3だった。
イクサー3はファイバーを難なく退け渚たちを救う。ファイバーはネオスのもとに帰り、このことを報告するが逃げ帰ったとして始末される。
・2話
イクサー3に助けられながら一行はクイーンフジで地球へ降下しようとする。
しかし敵のせいで降下地点がずれてしまう。そこは防衛軍の基地があった場所で、周囲には小さい虫が飛んでいた。
イクサー3は虫ではしゃぐが、防衛軍基地が壊滅したのはその虫のせいだった。
虫はネオスの部下インセクトの操るもので、インセクトの命令で艦内にまで入ってくる。
操られてることを知ったイクサー3は単独でインセクトを探し出し対決する。
イクサー3に押されるインセクトは巨大化して対抗しようとする。しかしイクサー3も無理やり渚を連れ出し、イクサーロボを呼び出し戦う。
インセクトを倒すことには成功するが、直後現れたネオスの幻影に攻撃したことで渚に負担がかかりロボは動かなくなってしまう。
さらにネオスがイクサーロボが動く源、イクセリオを取り出し去っていく。何が起こったか分からないイクサー3は倒れた渚を抱える。
・3話
ネオスはイクセリオを使ってアトロスという新しい部下を作る。
渚は眠ったままとなり、野人は渚を傷つけたとしてイクサー3を牢に閉じ込める。
しかしイクサー3は脱走し、クイーンフジを離れて森で動物たちと過ごす。一方ネオスの部下ビグロがイクサー3とクイーンフジを狙っていた。
眠っていた渚はかつてのイクサー1と渚(別人)の戦いの記憶を見る。
動物と遊んでいたイクサー3はネオスの基地を見つけ入るとビグロとペットのイオタが待ち構えていた。
イオタにやられるイクサー3はとっさに渚に助けを求めてしまう。
目覚めた渚はイクサー3を助けに行くという。最初は周囲も反対するが最終的に皆で行くことになる。
イクサー3のもとについた渚はイクサー3と同調して、ビグロとイオタのコンビネーションを破る。
イオタはビグロを庇って死に悲しむビグロに戦う意思はないとして渚はイクサー3に引くよう命じる。
しかし直後、アトロスが現れビグロを消し、イクサー3に戦いを挑む。
・4話
アトロスはイクサー3と似た姿をして戦い方も似ていた。しかも渚の声がアトロスにも届き、アトロスは戸惑う。
アトロスは渚からイクセリオを基に作られた存在では?と言われ動揺する。
戦えなくなったアトロスは去り、イクサー3も疲労で眠ってしまう。
アトロスは渚とイクセリオのことをネオスに聞きに行くがネオスはそんなことよりイクサー3を倒せと言う。
ネオスは最後の部下ゴーレムにイクサー3討伐を命じるが、その裏で秘密兵器を作っていた。
渚はクルーのロブからイクサー3がとんでもない技術で作られた兵器だと聞かされるが、渚はそんなものではないと否定する。
疲労が回復したイクサー3だったが、どこからか口笛みたいな音したため警戒する。
するとゴーレムが現れイクサー3に戦いを挑むが、口笛はゴーレムではないと言う。
その口笛にも邪魔され、イクサー3はゴーレムとの戦いに苦戦する。その一方ネオスの秘密兵器が完成しようとしていた。
・5話
イクサー3は相変わらずゴーレムに苦戦するが、ゴーレムの弱点を渚が見つけ野人と二人で渚の手助けをする。
ゴーレムは汚い手でイクサー3を倒そうとするが、アトロスが邪魔をしてゴーレムは撤退する。
アトロスはイクサー3に再度戦いを挑むが渚に心を乱され去っていく。
逃げ帰ったゴーレムはネオスの秘密兵器と出会う。秘密兵器はかつてイクサー1と戦ったイクサー2だった。
ネオスはゴーレムに挽回のチャンスを与え、イクサー2の援護を命じるが、ゴーレムは内心アトロスとイクサー2を快く思っていなかった。
クイーンフジとイクサー3はネオスがいる敵の本拠地へ乗り込もうとする。
そんな時、渚はイクサー1の夢を見る。実はかつてイクサー1と共に戦った渚は祖母だった。
そこでイクサー2のことを知った渚だったが、口笛が聞こえ部屋の外に出るとイクサー2がいた。
イクサー2はイクサー3に戦いを挑み、艦の外ではゴーレムが攻撃をしていた。
バリアの中から攻撃を受けクイーンフジは墜ちていき、渚はアトロスに助けられていた。
イクサー2とイクサー3は外で戦うがイクサー2が圧倒する。
倒したと思われたとき、空から攻撃を受ける。イクサー2を良く思っていなかったゴーレムがイクサー3ごと殺そうとしていた。
だがイクサー2はワープして逃げ、ゴーレムを瞬殺する。
一方クトゥルフの船では、回復したイクサー1が地球へ向かおうとしていた。
・6話
クイーンフジの艦長は部下に命令して再度突入する準備をする。
イクサー2にやられたイクサー3だったがアトロスのおかげで治る。渚はアトロスを勧誘しアトロスは仲間になる。
イクサー2は地球にやってきたイクサー1を異空間に誘い出し迎え撃つ。
ネオスがいる本拠地にきたクイーンフジは攻撃を開始するが本拠地を囲むバリアが破れない。
するとアトロスが一人でバリアを破壊しクイーンフジの道を作る。しかしそれがネオスの逆鱗に触れアトロスは殺される。
一方イクサー2はイクサー1と戦うが、殺したと思ったイクサー3が生きてることを知り動揺する。そのすきをつかれてやられそうになるが、イクサー1は妹を殺せないと言い地球へ戻る。
艦長たちはクイーンフジの一部を切り離し、自爆させ本拠地を破壊するがネオスが巨大ロボに乗って現れる。
イクサー1が合流しネオスの汚いやり方を嫌ったイクサー2も加勢する。
イクサー3も渚とロボに乗り総力戦かと思われたが、ネオスのロボが地球と繋がってることが分かる。
そこで一旦ネオスを宇宙へ飛ばすため皆で力を合わせてネオスを宇宙へ連れて行く。
ロボが壊れネオス本体が現れるがイクサー1たちは気絶したままだった。
唯一目覚めたイクサー3が一人でネオスを倒し、一件落着。イクサーたちは渚たちに別れを告げて去っていく。