てとてと さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
裏社会イクメン奮闘記としてはかなり良し、設定の強引さや不自然さは作品の必要悪と好意的に見る
P.A.WORKSとニトロプラスのオリジナルアニメで、裏社会の殺し屋青年コンビが幼女を育てる。
【良い点】
裏社会殺し屋青年コンビが幼女の父(マフィアボス)殺し、何も知らない幼女を養育する過程で大人として成長していく…ストーリーラインは綺麗な王道で、途中裏社会絡みの波乱ありつつ、ラストまでちゃんと良い話に収めていた。
主にメイン主人公なカズキ視点での、ド新人パパが悪戦苦闘しながら子育てし良きパパになっていくホームコメディとしてはかなり良く、常識知らないズレた言動行動やリアクション、幼稚園やマ友たち周囲との掛け合いがコミカルで終始楽しかった。
最初は子育てに協力的ではない相棒のレイが、カズキにとって大きな子供めいた感じなのも面白い。
ツッコミ所は多いが、カズキとレイが父として娘を愛していくドラマとしては申し分なかった。
悪い点とも裏腹だけど、設定や展開がいい加減。
娘の父を派手に殺しておきながら普通に娘育ててたり、レイ父の裏社会組織との対決や決着の行方、娘のミリちゃんの都合が良過ぎる純真さなどなど、細かい点と根幹に関わる点双方にツッコミ所が多い。
これらは悪い点と見るべきだろうけれど、このいい加減さが本作特有のホームコメディ成立させていたし、細かい点はいいからとにかくカズキパパ頑張ってるし、ミリちゃん可愛いと見ていられた。
ミリちゃんも都合が良過ぎる理想の娘な感は確かにあれど、そのお陰でいい加減なカズキとレイがパパになれているわけで、主眼はあくまでダディーズの奮闘記と見ればこれで良い。
スパイファミリーのアーニャとか、只者じゃない幼女だからこそ成り立つフィクションの嘘もアリじゃないかと。
殺しや裏社会組織のシリアスも厳しい(特に和解したミリ母が殺される)割には全般的に作風は明るかった。
ラストも強いて好意的に見ると、高校生ミリちゃんにはちゃんと説明して乗り越えての家族なんだろうな?(母の写真に語り掛けてるし)
レイの問題も甘すぎる感はあるが、ハッピーエンドに越したことは無い。
作画は綺麗でミリちゃんはかなり可愛い。
声優陣は木野日菜氏の幼女ボイスが絶品。
楽曲もOPが雰囲気やテーマに沿った良曲で耳に残った。
【悪い点】
良い点とも裏腹だと思っているものの、やはり設定や展開の不自然さは評価落とす要員なのは否めず。
主人公ズが殺しの罪を償っていない点、ミリちゃんが幼女とはいえあまりに都合が良過ぎる存在な点をどう見るか。
バディダディーズのドラマとしては良いが、ホームドラマとしてはミリちゃん視点が弱いためか、ハートフルや感動するには不十分。
ラストのオチは好意的に見るけれど、あと一歩過程を描いてほしかった。
【総合評価】6点
粗は多いものの、疑似ホームコメディーとしてはスパイファミリーよりも良かった。
概ね楽しく見られたし、フィクションの嘘は許容していいんじゃないか派。
評価は「良い」