tinzei さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
せっかくのラスボスなんだから…
全3話のOVA、1~2話は約30分、3話は約45分。ダークファンタジーSFロボ作品。
宇宙の侵略者クトゥルフと戦うイクサー1が特殊な力を秘めた地球人の女子高生、渚をパートナーに選びクトゥルフと戦う。
ずっと渚が主人公だと思ってたから3話で死んだときは少し驚いたけど、冷静に考えてみれば題名が『イクサー1』なんだからイクサー1が主人公に決まってた。笑
元が成人向け漫画だから乳首シーンもあるけど、どちらかというとグロシーンの方が目立つ。クトゥルフ神話をもとに作られたクリーチャーも気持ち悪いし、そのクリーチャーがやられるシーンだったり、人間が寄生されるシーンなんかは、かなりグロい。
最初、クトゥルフって名前から複雑なストーリーを想像してたけど、登場人物も少ないしキャラの関係もシンプルで、思ったより単純な話だった。気になって調べたけど、どうやら原作は一話完結の短編で、細かい設定自体がなかったらしい。
ただこのOVAに関しては、監督は『メガゾーン23』のキャラデザの人だし、ロボデザとかモンスターデザインも知名度のある人を使ってるから、80~90年代のOVA・映画を観たことある人なら見覚えのあるデザインばかりで、アニメーションの質自体はかなり高かった。
上でも言ったけど、全体的に設定が少なくてシンプルだからかなり観やすかった。もちろん物足りなさを感じないわけではないけど、全3話のOVAならこのくらいがちょうどいい。
ただ尺の都合なのか、最後のビッグゴールドとの戦いがすぐ終わっちゃったのは残念、せっかくのラスボスなんだから、せめてイクサー2&セピア戦の尺くらいは描いて欲しかった。
それと毎回イクサー1たちとは別に、クトゥルフと戦う軍隊のシーンがあるけど、いくらなんでもかませ犬すぎない?2話の軍隊はイクサー1の手助けになったけど、1話と3話のはマトモに出撃もできずに終わった。
どうやら作品全体で特撮へのオマージュがあるようで、その一環だったらしいけど、『ゴジラ』以外ほとんど特撮を知らないから正直興味は湧かなかった。
結論として、ストーリーはともかくアニメーションの出来は年代を考えてもかなり質が高いし、続編もタイプは違ったけど見応えある作品だからシリーズ通してそれなりの良作だった。
【各話あらすじ】
・1話
惑星を侵略するクトゥルフが地球を狙い、イクサー1が守ろうとする。
イクサー1は自分のパートナーとなる少女渚を見張る。
クトゥルフが渚を狙うがイクサー1が守る。しかし渚の両親が殺されてしまう。
泣く渚だったが、クトゥルフのコバルトが操るディロスシータが現れ、地球を襲う。
イクサー1は嫌がる渚を無理やりロボに乗せ、ディロスシータと戦わせる。
最初は嫌がる渚だったが、復讐という言葉で立ち直りディロスシータを破壊してコバルトを殺す。
・2話
コバルトの恋人セピアが要塞に乗って地球に降りる。そこでディロンシータの残骸を回収してイクサー1たちへの復讐を誓う。
クトゥルフのリーダー、サーバイオレットはセピアのパートナーとしてイクサー2を造る。
ロボで回復していた渚は目を覚ますが、再び戦うことを拒否する。
イクサー1は仕方なく一人で要塞に潜入するが破壊に失敗。地球の軍隊が要塞を攻撃している間に脱出するが、イクサー2に戦いを挑まれる。
一方、渚は倒れていた母娘と出会い、彼女たちを保護して、娘の小夜子と仲良くなるが、自宅でクトゥルフに襲われる。
渚と小夜子はイクサー1から受け取った腕輪で無事だったが、母親は殺される。
無力を悟った渚はロボとイクサー1を呼び敵と戦う決意をする。
ロボに乗った渚たちを倒すため、セピアとイクサー2もイクサーシグマというロボに乗って現れる。
・3話
過去、クトゥルフは母星を失いリーダーのサーバイオレットは宇宙を彷徨うことに悩んでいた。
そんな時、どこからともなくビッグゴールドが現れサーバイオレットの体を乗っ取り、クトゥルフの生物を変異させ侵略を開始する。
イクサーシグマと相対した渚たちは苦戦する。しかしシグマに乗ったイクサー2がセピアの制止を聞かず渚を応援する小夜子を見つけ踏みつぶす。
悲しむ渚だったがその悲しみが力に変わりイクサーシグマを倒す。しかしイクサー2は爆発前に一人脱出する。
悲しむ渚だったが、実はイクサー1が例の腕輪を小夜子に渡しており無事だった。
とりあえず小夜子を安全なところにやり、イクサー1は自分のことを話す。
実はイクサー1はクトゥルフによって作られたアンドロイドだったが、どういうわけかクトゥルフの敵に回っていた。イクサー1は戦う理由を渚が見つけてくれると話すが渚は困惑する。
改めて二人はクトゥルフと戦おうとするが、部下を引き連れたイクサー2が現れ、渚を攫って行く。
渚はビッグゴールドに会い、ビッグゴールドがかつて別の人間と共生していた機械だと知る。
ビッグゴールドは渚を殺そうとするが、渚の力が欲しいイクサー2が止める。
イクサー2は渚を脅し、自分のものにしようとするが渚は拒否して、イクサー1とロボを呼ぶ。
イクサー1は最後の力を振り絞ってロボと共に敵要塞に突撃するが、待っていたのは操られた渚だった。
操られた渚はイクサー1を殺そうとするが、渚が自分を撃ってと言いイクサー1は渚を殺す。
動揺したイクサー2はイクサー1に襲い掛かるが、渚が死ぬ間際イクサー1に自分の力を渡しイクサー1はパワーアップする。
イクサー2を倒し、ビッグゴールドと対峙する。イクサー1は渚の力を使いついにビッグゴールドを倒す。
イクサー1は渚の願いである地球を元通りにして渚を普通の女の子に戻す。
イクサー1は普通の女の子に戻った渚を見届け、クトゥルフと一緒に去っていく。