エイ8 さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
いけすかねー奴に容赦する必要ネェんだよ!
『転生したら剣でした』(てんせいしたらけんでした)は、棚架ユウによる日本のライトノベル。略称は『転剣』
第1期は2022年10月から12月までTOKYO MXほかにて放送され、第2期は第1期最終話放送後に製作が発表された(wikipedia)
なろう転生もの、ステータスオープン系ナレーション付き。とはいえもうぶっちゃけ何しに転生しているのかよくわからんタイプ。一応その辺の伏線じみた描写もありましたが、これがアニメで明らかになる日は果たしてくるのだろうか……
魔獣どころか人間すら平気で虐殺しており結構グロめ。悪役はとことん悪く表現することにより残虐行為ですら正当化しようとする痛快ざまあスカッと異世界タイプ。ただその辺一々屁理屈じみた言い訳をするところからみて一応ちゃんと受け入れられ難い描写であること自体は自覚している模様。
剣に転生した師匠さんは殺傷しても罪悪感を感じないのは剣だからか?とか無機物だからどーとかこの世界は元の世界とは違うから何とか本当に言い訳が多い。悪い意味でそう言った非倫理的行為の正当化と元の人格を都合よく使い分けてるという印象。分割思考とかがスキルとして得られること自体意味わからんし、そもそもここまで来たら元の世界のあなたとどれぐらい繋がりがあるの?といった感じ。まあこれはこの作品に限った話ではないですが。
ヒロイン役のフランは典型的ケモミミ萌えキャラ。「ししょ~ししょ~」と甘えた声を出しながらカレーをおいしそうに頬張る姿は実に幼げ。こんなのに敵の四肢をぶった切らせる描写をあえて入れるとか個人的には正気を疑うレベルの所業。
実際のところ彼女が惨殺したギュランはあくまで口で悪態をついていただけに過ぎず現実に黒猫族に何かしてたかどうかは不明な状態であそこまでやるのは中々のものだと思いました。もっともこの世界の鑑定能力をもってすればその真偽もわかるのかもしれませんが、いずれにしろ結局のところ「黒猫」「青猫」という種族単位のレッテルを貼っているという意味では変わりなく、「青猫」だからどーとかと言うのであれば結局のところ「黒猫」が進化できないのも「黒猫」であるが故に致し方ない、ということにもなりそうです。もしこの作品に種族は越えられるといったようなテーマがあるのであれば先述の凶行自体がそれを否定する形になりますし、そういう視点から見て実はギュランの自己申告は嘘だったということが後に発覚するとかなら結構深い話になりそうですが、なろうにそんなん期待してはいけませんね。
元の世界とこの世界では価値観が違う(だから首をねじ切ろうが脚を切断しようが四肢をぶったぎろうが問題ない)という師匠の独白もありましたが、それならそれでクラッドみたいなちょっと悪げな奴がつっかかってきただけでもあっさりぐっちゃぐちゃに惨殺した隣で可愛らしくカレーを頬張るフランをほっこり見守るぐらいメリハリがあった方が良かったんじゃないかとも思いました。何と言うかあの惨殺シーンはアイドルの裏の顔を見せられたみたいなやるせなさがありました。先述したようにギュランはとことん最悪の奴として描写されているのでフランの行為の正当化自体は難しくないかもしれません。しかしそれは逆に言うと悪役頼りの凶行でもあります。悪い奴をとことん悪くしとかないとやりにくい行為なのです(だからクラッドぐらいでは殺せない)。本作はこういった手口が非常に多いと感じました。
一方で、この世界にもロリコン忌避文化があるのは興味深いです。エルフ族のような長寿な種族と共存しているのに年齢的区分があるのも実に不自然ですが、これは何故かというとロリコンは描写上中々正当化しづらいという理由もあります。仮に少女がいかにおじさんに対して愛を口にしたとしても、おじさんはその気持ちを拒絶しなければならないという鉄則があります。残虐行為ならば悪人の質次第で擁護してくれる人が湧きますが、ロリコンはどうあっても否定しなければならないからです。表向きはw
尚、この辺のことに真っ向から挑戦している(と思われる)作品が『うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。』だったりするのですが本作は主人公は剣ですし、最後まで見守る系である可能性は高いですね。
それにしても一々コジ〇のように人様のものをあさましく略奪していく姿は見ていて不快でした。ステータスオープン系ということでMMORPG的なものを想定しているからなんでしょうが意外とここまでいじきたない作品って見ないですよね?もう本当に見苦しかったです。
作画自体は良くバトルシーンも良好。フランのヒロイン然とした姿も(虐殺行為さえなければ)良かったので人気自体が出るのはわかりますが節々から伝わる卑しさにはちょ~っとだけ、うんざり。
ただケモミミなところやグロ描写が多いところから見て案外海外向けに作られてたりする?