Witch さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
1年というリミットを設定した原作者が有能すぎる件
【レビューNo.57】(初回登録:2023/5/10)
コミック原作で2016年作品。全25話。
こちらもGW中にABEMAの一気見放送があったので(^_^)
(ストーリー)
1期からの続きで
Ⅰ.学園生活
・体育祭・文化祭等のイベント
・期末試験
・進路指導等
・卒業
{netabare}・恋愛模様も入ってくるよw{/netabare}
Ⅱ.殺せんせーの秘密の種明かし
・殺せんせーの正体
・なぜこのクラスの担任になったのか
・殺せんせーを巡る過去の因縁
Ⅲ.地球破壊までのリミットをめぐる攻防
・生徒たちによる暗殺活動他
・政府やシロたち等の不穏な動き
原作も終了していたので、綺麗に完結までアニメ化してくれています。
(評 価)
・1期の基礎を2期で応用展開
1期の最後の方で、殺せんせーが
「3年E組『暗殺教室』基礎の1学期、これにて終業!」
と高らかに宣言しますが、これはアニメにもいえることですね。
・1期:作品のチュートリアルから始まり、主に勉学や暗殺の訓練や実行といった日常
描写をメインにして、生徒たちの成長物語を魅せていく。
・2期:イベント(学校行事や新たなる敵等)で物語を動かしていきつつ、殺せんせーの
秘密も明かされていく。そしてクライマックスへと・・・
「1期で培った基礎の上で、応用的に新エピソードを展開している」って感じなので、
やはり骨太の面白さがあり、失速することなく完走したって感じですね。
(2期は物語が締めに向かっていくので、泣きの感動要素が多くなってきます)
・驚嘆すべき淀みない秀逸なストーリー展開
2期の目玉は「Ⅱ.殺せんせーの秘密の種明かし」になるでしょうか。
{netabare}2話ほどかけて過去を語っていくのですが、後付け感が一切なく本当に淀みない秀逸な
ストーリー展開に驚かされます。個人的な推測ですが、作品概要が決まった後、むしろ
このエピソードから作り始めたんじゃかないかって。
このエピソードはある意味この作品の「心臓部」にあたる部分です。ここを核として、
3年E組の物語へ落とし込みにいったと考えると、いろいろとスッキリするんですよね。
・教師としてブレないバックボーンの正体(教師・殺せんせーの原点)。
・新キャラに見えた敵は、実は皆この過去に因縁がある者ばかり etc。{/netabare}
作品全体を見ても(1期の)始まりから終わりまで、無駄・矛盾(不自然さ)がなく全体
の整合性もとれており、綺麗にストーリーが流れていく様はホント見事だと思います。
・1年というリミット設定が作品の質を上げている
・実は1年というリミットは、生徒たちの卒業だけでなく、もっと深い意味があることが
2期で明かされます。
{netabare}(殺せんせー自体の寿命(地球を巻き込む程の大爆発を起こす)期限が1年だった。
→ それを踏まえての1年という政府への宣言だった。
(ただその後の研究により、その可能性は「1%」に訂正されるが)){/netabare}
1年というリミットがあることにより
・編集都合特有の無理な引き延ばし展開が入ってこない。
・生徒たちの卒業までを描いて綺麗に終わることができる。
・終わりが明確なので、最高のクライマっクスが用意できる。
(終わりが不明確だと、出し惜しみ等いろいろ配慮が必要になる)
結果作品の質の向上に繋がったのではないかと。
(恐らくあのラストも早い段階から決まっていたのでしょう。そのラストにどう繋いで
いくか、妙な引き延ばしを考えることなく、そこに注力できたのはかなり大きかった
と思います。)
正直推測の部分も多く、真相は定かではありません。
でも最初からは終わりや心臓部を明確にし、そこから全体像を練り上げていたとしたら・・・
そう思える程に、この作品の構造・設計は本当に美しい。
そしてこの作品の根幹となるテーマ
{netabare}「殺せんせーはブレることなく、最後まで「最高の教育者」だったと」{/netabare}