てとてと さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
裏表の仮面被ってきた青年の純愛BL映画。ドラマが良いだけに、濡れ場は無くてもよかったような(身も蓋も無いが)
53分のガチBL映画。
外面抜群内面やさぐれな27歳アナウンサーが、同い年のワイルドな映像作家(バイセクシャル)と交流、友情というか純愛芽生えていく。
【良い点】
裏表に裏切られたり疲れている男ふたりが、偽りの関係から真実の純愛に至るドラマ。
賢明に外面取り繕う生き方してきた主人公が、少しずつ本音を曝け出していく過程のドラマが良い。
裏表使い分けるキャラ付けからの、一人二役で彼氏?に惹かれていく構図も萌える。
主人公の、お前にだけは分かってほしいけれど、お前にだけは知られたくない的な葛藤も繊細に描かれていた。
主人公の内面のツッコミがコミカルかつ心情が分かり易くて見やすい。
伏線の張り方と回収も上手い。
ちょっとしたきっかけから互いの人となりを知ったり、正体を知る(知られた事を気付く)伏線あったり、交流の成果がちゃんと活きるドラマ運び良かった。
本音モード主人公オワリと、都築との本音のやりとりのセンスが良く心地良い。
また、裏表のある生き方も含めてちゃんと頑張って生きている事を素直に認めてくれる言葉の数々も。
怪我させた都築に対しぶっきらぼうに金で解決しようとするオワリの「一生懸命働いて稼いだ金だから恥ずかしくない」を「正論だな」と認めたり、都築が国江田さん(実はオワリ)に無礼な態度取ってしまって謝りたいけど許してくれるか不安、に対してオワリ「許してくれなければ謝らないのか?なら最初から謝るな」の返しに素直に学ぶなど。
ぶっきらぼうな会話劇から少しずつ互いを知ってリスペクトしていく関係が良かった。
アナウンサーと放送作家のお仕事物な側面も結構良い。
お仕事物からの男同士の友情に繋げる。
声優陣も申し分なく艶っぽかった。
主人公がアナウンサーとして努力してきた美声、美しい発音が、演技でちゃんと分かる。
濡れ場もガチにして攻めと受け?のやりとりも萌える?
この点は良し悪しというか好みだけど、ジャンル的には良い点。
原作者作詞で主演二人が歌う主題歌も中々良かった。
【悪い点】
身も蓋も無いが、ガチBLなので敷居が高い。
終盤の濡れ場は好みが割れそう。
これを言ったら無粋だけど、BL濡れ場抜きでも十二分に良質な友情ドラマなので、正直濡れ場は無くてもよかった。
【総合評価】7点
BLという形態自体は敷居が高いものの、社会人男子ふたりの友情物として普通に良かった。
主人公は「うらみちお兄さん」だったり、外面取り繕う「私の百合はお仕事です」的な裏表からの葛藤ドラマだったり。
仮面被って生きづらい境遇からのドラマは普遍性あり、BLで切り捨てるには惜しい。
評価は「良い」
自分がBL好きだったらとても良いだった。