蒼い✨️ さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ファンタジー時代劇。
【概要】
アニメーション制作:WHITE FOX
2020年2月1日から劇場上映された60分間のOVA。
「やる夫板EX」で投稿されていたAA作品。
→投稿者自ら一般小説の形に手直しして応募。
→GA文庫から刊行されているライトノベル化したものが原作。著者は蝸牛くも。
スクウェア・エニックスから外伝四本を含む五種類のコミカライズ作品が存在。
監督は、尾崎隆晴。
【あらすじ】
鉄兜で隠された素顔を見せることが滅多になくて、実用性重視で汚れた鎧姿。
武器にこだわりはなくて使い捨てにしているゴブリンスレイヤーと呼ばれる二十歳の青年戦士は、
故郷の村をゴブリンに滅ぼされて姉も陵辱されて惨殺された過去から、
ゴブリンを皆殺しすることのにみ執着して生きている。
個々としては強くはないが、狡猾であり集団としては厄介な存在である、
ゴブリンの生態や思考の研究を重ねて害獣を駆除する感覚で罠を張って一網打尽にする、
ゴブリン討伐専門のスペシャリストの冒険者として、
彼は銀等級(十段階評価で上から三番目)に上り詰めた。
長らくソロプレイヤーだったゴブリンスレイヤーだったが、共に冒険をする、
女神官、妖精弓手、鉱人道士、蜥蜴僧侶という固定の仲間が出来た。
今回、ゴブリンスレイヤーたちが受けた依頼内容は、家出して冒険者となり、
パーティーを組んでゴブリンの巣穴に討伐に赴いて消息不明になった、令嬢剣士の捜索と救助。
現地の村に到着したら、ゴブリンの群れに村が蹂躙されていて被害が出ていた。
雪山のドワーフの砦を占拠して巣穴にしている大規模なゴブリンではあるが、
実際に戦ってみてゴブリンたちの学習能力の高さに違和感を覚える、ゴブリンスレイヤーであった。
【感想】
サイコロを振って運任せで行動の成否が決まるTRPG的な世界の物語ではありますが、
やってることは、野武士が山賊化して村を襲って略奪するのを、
主人公の侍たちが用心棒となり対抗する、古き日本映画的なもののアレンジ。
時代劇での残忍で表情が気持ち悪い悪人たちがそのまんまゴブリンになっていて、
バッサバッサ斬り捨てていく勧善懲悪的な、特に捻りのないわかりやすい展開が、
様式美的な中編娯楽作品としていいのかな。
いつもは合理的に私情を挟むことなく事務的にゴブリンを駆除してくゴブリンスレイヤーさんも、
ゴブリンによって尊厳を完全に破壊された令嬢剣士が、
ゴブリンによって受けた辱めでの刷り込まれた恐怖心を克服するための儀式として、
彼女自身の手でゴブリンを殺すことが必要かと思ったのか同行を許可して、
その令嬢剣士がゴブリンスレイヤーたちの足を引っ張り続けるのを敢えて排除しなかったのですが、
ゴブリンによって姉を喪って復讐者となった自分と彼女の姿を重ね合わせたのか、
徹底的に尻拭いに徹していたのが情に流されっぱなしで、らしくなかったですね。
TVシリーズのクオリティの映像の3回分のエピソードを1時間の中編にまとめたものを、
わざわざお金を払って映画館で鑑賞して満足できるかというと、
もともとこのアニメのファンじゃないと厳しいかな。
今回は、女神官と妖精弓手の温泉での入浴シーンがあるのですが、
コミック9巻で読んだものより地味で露出も抑えめで、
せっかく映画なのだから、もうちょっとはっちゃけた映像にすればよかったのに!
と、妖精弓手が温泉に勢いよく飛び込むシーンをアニメでも見たかったかな。
実はこのアニメは、設定とか出落ちみたいなショッキングな部分が肝で、
映像としては普通で特に面白いわけではないなと思いました。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。