青龍 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
登場するロボットが二足歩行型ではなく四足歩行型であることが本作の作風をあらわしている
ほとんどのロボットアニメは二足歩行型である(リアルロボットの代表の一つとされる「ガンダム」も二足歩行型だ)
しかし、特に地上では二足歩行型は不利といわれている
なぜなら、四足歩行型(多脚型)は1本脚がなくなっても動けるが、二足歩行型は片方の脚が破壊されると動けなくなるからだ
また、武器を持つために複雑な関節のある手をつけるのも無駄といわれている
なぜなら、関節という繊細な機構をもちながら、殴るなどの乱暴な扱いをするとすぐぶっ壊れてメンテナンスが大変だからだ
そういう意味で、引き金を指で引くような武器を手に持たせた二足歩行型ロボットは、全く機能的ではなく、見た目のかっこよさを追求したロマンの塊といえる
ところが、本作品に出てくるロボットは、四足歩行型で武器は機体にはじめから付属されている
したがって、私のような古典的なロボットアニメファンには見た目が「ダサい」と感じるかもしれない(プラモ、あんまり売れなさそう…)
しかし、裏を返せば、本作は、二足歩行型ロボットというおよそ実戦では使えない代物から、できるだけロマンを排除してリアルを追求しているといえる
もっというと、コクピットに人間が乗るのも不合理だと言われている
重力下で高速移動すると、生身の人間は重力による負荷(いわゆる「G」)を受け意識障害等が起こるため、意識障害等の起こらないAIに人間はかなわないといわれているからだ また、機械であるAIの方がパイロットを補充しやすい
ここまで説明すると、「ジャガーノート」に搭乗して戦わされている86の人たちは、本作の敵ロボットであるAIを搭載した「レギオン」に対して、いかに絶望的な戦いを強いられているかが分かるだろう(なお、素早く動ける主人公は特別な存在)
そうすると、本作は、(ある程度)リアリティを追求しつつ、絶望的な戦いを強いられる86の人たちの物語といえる
なお、本作は登場人物がどんどん死んで行くが、声優の知名度でこいつは生き残るだろうとか無粋な予想をせずに、彼らの戦いに希望はあるのかを見守って欲しい