退会済のユーザー さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
もやもやする。対象は昔のコナンかゼロ年代のギャルゲが好きな人向け。
物語は推理の先の友情や愛情だからこそ設定面に突っ込まなければよく練られていてキャラの魅せ方も上手で、最後は感情に流されてしまって悔しくて涙が出そうになりました。るーすぼーい氏は車輪の国、向日葵の少女から知っているのですが、さすが構成が巧みで二次作品好きを惹き付ける力が強いです。しかも、声優がキャラと合っていて配役もバッチリでした。しかし、なぜだろう…視聴後、釈然としない気持ちで気に入らないとまで思ってしまいました。楽しく観られているはずが心の中はもやもやしっぱなしでした。人に勧めることができる作品であることには間違いありませんが、個人的にこれを好きだと認めてしまうと未来はまだ分からないのにも関わらず、ディストピアな世界を現実でも密かに渇望しているかのように感じてしまって…。理屈っぽい話を受動的に聞きたがる人には面白いかもしれませんね、勝手な偏見ですが。最終的にミチルちゃんが報われないのもその影響でしょうか、それともななしゃんのために自分が役に立てて嬉しいと思わせているのでしょうか。流れ的に恐らく後者を引き立てるためでしょう。他にもキョウヤという変人雑用係は空回りもしますが、作品内では有能過ぎてもはやこいつがいなきゃお先真っ暗ですよ。主人公がナナだからあのまま亡くなったら終わってしまうというのは分かります、分かりますが…正直、二次作品だとしてもここまで支配している者にとって都合の良い展開が緊迫とした状況をもすり抜けて続いてしまうと人を道具だと本気で思っている人ほど面白いと感じるような内容と思わざるを得ないです。
それにこのナナちゃんは客観的に見て可愛いですが、相手が能力者だからこそ裏の性格は腹黒い、信念が強く全然ボロを出さない、先を考え過ぎているが故に純粋な優しさや疑問にはめっぽう弱く脆い実は普通の女の子という様々なギャップも相俟って面白さを演出しているだけのようにも思えます。試しにナナの立場をコナン君に置き換えてみてください。それで違和感を抱かなければこの作品を楽しめる事間違いなしです。このやり方は世間的に人気は出やすいですが、私は気に入りません。騙されていたナナ(の精神)もその被害者もまだ生きている能力者も全員犠牲者という。あまりにも意外性を追求し過ぎると不自然な点が浮き彫りになり矛盾点が出てきますし、ナナをあのキャラに仕立てた以上考察面が重要な本作にはよろしくありません。タイトルの付け方に関してはセンスを感じました。要はアニメの出来はしっかり特徴をアピールできていたので良かったのですが、この作品はアニメ向きではなく、元の原作漫画や小説、ゲーム内だけで表現すべきだと思いました。もちろん、他の評価されている方々の価値観はごもっともですし、二期が制作決定になれば嬉しいですね。