てとてと さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
序章で終了しているが、こちらの方が魅力的
不死身男とイロモノ武器使い達とのトンデモ剣客バトル&少女の復讐劇。2020春放送の「波よ聞いてくれ」の作者の代表作。
2019〜20年放送の「無限の住人-IMMORTAL-」が原作最後まで2クールで描いたのに対し、こちらは序章を1クール。
※作品データベース様より転載
【良い点】
IMMORTAL(インモータル)の後半以降が悪く見ると迷走気味でグダグダ感が否めないのに対し、2008年版は序盤の原作が一番面白かった頃に絞ってアニメ化している。
原作の時系列入れ替えも特に悪くはない。
万次の不老不死故の葛藤や、凛の復讐劇で憎しみの連鎖に対する悲哀や葛藤、生きる意味まで自問し成長していくドラマを濃密に描けている。
敵も変態的だが悪人というよりも武を一途に追求している感じ、倫理的にはともかく、壮絶な生き様死に様は印象的。
万次が魅力的な男、復讐心に逸りつつも普通の小娘として揺れ動く凛ちゃんも可愛い。
この二人の道中の掛け合いや交流が見所、大人な魅力漂う万次さんに子供な凛が仄かに心寄せていく関係性も良かった。
血生臭い作風の割には二人の掛け合いがコミカルなのも結構見やすい。
ここら辺はIMMORTALでもリメイクで悪くは無かったが、IMMORTALは原作最後まで進める為にやや駆け足気味、前半部分は2008年版の方が丁寧。
キャラを絞ってテーマが分かり易い。
無限の住人で一番面白かった要素を2008年版の方が濃縮されている。
ストーリー途上な点も、凛の復讐に対する向き合い方に一定の回答を出しており、一幕の終了としては悪くない。
不死身の万次とヘンテコ武器使いの逸刀流たちとのバトルが外連味抜群、アクション作画も演出も申し分が無い。
画面が暗くて見づらい面も、変則的バトルを効果的に見せる演出が上手くて見入る。
作画は時代が進んだIMMORTAの方が綺麗だけど、アニメーションとして魅力感じるのは2008年版の方。
また、万次の不死身ネタなどがマンネリ化する前に終了しているのも(消極的な意味で)良い点。
声優陣は関智一氏が万次の深みのある魅力引き出している。
IMMORTAL万次の津田健次郎氏も決して悪くはないんだけど、万次に関しては関氏に及ばない印象。
【悪い点】
良い点と裏腹、ストーリー途上で終了して続きが気になる。
原作に対する完成度という点ではラストまで描いたIMMORTALに軍配が上がる。
アイキャッチの近代風景が違和感。
これについては、意図は原作かIMMORTALを最後まで見れば分かるんだけど、この時点では意味不明。
【総合評価】8~9点
評判は芳しくないけれど、自分はこちらの方が断然好き。
評価は良い寄りの「とても良い」
思うに、IMMORTALは2008年版と重複させずに2期として続きからやってくれた方が良かった。
本作を見て、IMMORTALは本作の続きとなる辺りから視聴するのが良さげ。