あと さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
儚い青春と過ぎ去るような夏の思い出を描いた良作アニメ
全体を通して、とても雰囲気がノスタルジックで作画もかなり綺麗でキャラクターデザインも可愛く作品としても基本はコミカルでも関係が絡み合う青春群像劇を描いていてめちゃくちゃ良かったです。物語がとてもおもしろいとか、深いテーマがあるとか、そういうわけでもないのにこんな楽しく見れて、なんだか本当に好きな作品でした。
この作品のSF要素としては突然現れた女の子が宇宙人であったというボーイミーツガールのおまけ程度なものですが、それを舞台として、まだ何者でもなかった高校生たちの1夏の青春を映画撮影を通して関係が絡まり合い感情が揺れ動き、それを支える夏の青さを感じる背景や星空と田舎の雰囲気、自然が調和していていました。
物語の面白さはとても自然で違和感なく入っていきます。まああの花が後につながってくると考えればこの雰囲気の良さと物語がすらっと入ってくる感じは妥当でしょう。正直、同じ監督である「とある科学の超電磁砲」を見ても感じていたのですが、監督はノスタルジックな作品とキャラの関係性とをよく描くのが素晴らしいです。脚本もそうですが、本当に違和感なく台詞が入ってきて、声優さんもとてもうまく自然な感じな上にキャラの感情が動き叫ぶところ、こういうアニメが見たかった!と感じるほどに心に熱く響きました。後半の思いが発露していき、傷つけ合い、苦しみながらも自分たちの思いと、そんな思い出を記録していく体験が非常に心地よく、描かれた結末も感動できるものでした。
このアニメは出会いの中で友情と恋愛感情が交差して絡み合い、揺れ動く距離感と境界線の中で高校生の人間ドラマを体感し、共感し、青い夏を感じる、そんな青春恋愛群像劇として、自分の思い出に残って行くと思います。