螺旋常連からくり剣豪 さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
大味なストーリーの演劇アニメ。ストーリーさえ許容できれば楽しめると思います
4話まで視聴
演劇を主題にした作品。雰囲気としては歌劇が題材の作品であるかげきしょうじょにやや近いです。かげきしょうじょと明確に違うのは才能をゲーム的なスキルに置き換えたセンスと呼ばれる特殊能力を活用して演劇の質を高めていく点。これが良くも悪くもこの作品の象徴になっています。
作風としては意識高い系のカトリナがいるからか一見シビアなんだけど、見てみるとそれ程重くもないという中途半端な感じ。意識高い風を装いながらも難しいところは全部すっ飛ばしてしまっているセンスがご都合主義的で作品を軽くしているのだと感じました。
みんな頑張っているオーラは出しているんですが、この手の作品における登場人物の魅力を裏付ける肝心要の稽古のシーンはほぼゼロ。4話までだとほぼここなとカトリナの表面的なやり取りに終始し、ぶっつけ本番でオーディションや公演に挑戦みたいな流れになってしまっています。
主人公であるここなはバディである静香抜きだと魅力を感じ難いのが厳しい。今のところ不快感は無いけど特別な魅力も無いという凡庸なキャラ。多分静香ありきで意図的にそうしていると思われるのでもう少し先を見てみないとちょっと判断に困るキャラでもあります。
カトリナはセンスを除けば他の作品にもよくいる、かつて大失敗を演じてしまった意識高い系の性格がキツいエリートキャラで特筆することはあまり無いと思います。
他のキャラはまだ掘り下げがあまりされていないのもあり、先の話を見てみないことにはよく分かりません。
現状はかげきしょうじょとは対照的なライトな作品だと思います。
8話まで
序盤に抱いた悪印象は中盤になっても変わらず。努力を押し出さない青春系は微妙の一言。この作品は問題の解決が全部キャラが元々持っているセンス頼りなのが悪い意味での軽さを助長している気がします。
とにかく稽古など、努力を描くシーンが少な過ぎて登場人物が成功していく場面が薄っぺらいです。
かげきしょうじょでは演者自身の顔が無いと批判された憑依型の演技を活かそうとする試みとか、望有の青臭い上昇志向に起因する、八恵ワンマンの悪い流れを新人であるここなが断ち切るアラビアンナイト編のストーリーなど、光る部分は多いのですが、やはり努力を蔑ろにしてしまうのはこの手の作品ではあまり良くないと思います。
最終回まで見ました。
感想としては凡作だと思いました。ストーリーの運びが結構雑で、ここながとんとん拍子でチートレベルの強さになっていきます。前から言ってるけど努力や苦労をする描写が足りてない。一応してるんだろうけど描いてないんじゃ分かり難いです。
あと個人的な不満としてはカトリナの扱い。彼女のピークは序盤3話のツンツン状態で、ここなに心を許してからは空気レベルの活躍になります。終盤のオペラ座の怪人編のオーディションだとセンスを制御しきれないくらい役に入り込むいわゆる覚醒描写がありますが、すぐにそれを超えるインフレをここながしてしまい、結局あっさりと敗北。サラッと流されました。静香が一回消えたのにすぐに戻ってくるのももうちょっとやりようがあったと思う。
劇自体はどれも結構質が高いです。あと要所要所でしっかり劇をやっているのはアニメ化範囲においては人間関係の描写に終始していたかげきしょうじょには無い評価点。視聴者のニーズにはしっかりと応えている作品ではないでしょうか。
致命的なマイナスは無いものの、雑さが目立つ大味なストーリーなのでエンタメ作品と割り切って楽しむのが吉だと思います。