ワタ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ドリブルこそチビの生きる道
もし事前情報一切なしで観ていたら確実に映画館で叫んでた。
色々あるけどとりあえず、なんですかあの、なにあのOPのカッコヨスギル演出…
批判を浴びながら公開まで本編内容を頑なに秘匿し続けたスタッフの気遣いに、
今更ながら頭が下がる思い。
まるでリアルバスケの試合を観ているかのような試合描写の素晴らしさについては、
今更言うまでもないかもしれないがそれでも言いたい。
ドリブル、パス、シュート、リバウンド、ブロック、フェイク、
オフボールの動き、臨場感溢れるカメラワーク…
選手は常に動き回ってるし、攻守の切り替わりも激しく、点が入りまくるスポーツであるバスケは
それらをリアルに表現する場合、尋常でない労力とセンスが要求されるだろうが、
このスタッフはやり遂げた。
○なにより試合のスピード感が素晴らしい
原作と比較すると、試合中に選手が発するセリフやモノローグが必要最小限に省略されることが多く、
試合そのものへの没入感、そしてスピード感を極力優先させる意図が窺える。
これはもう明らかにリアルタイム進行を意識している。
バスケというスポーツの魅力を全面に押し出すこと。
それがスラムダンクというリアル寄りのバスケ漫画を、
アニメに落とし込む際に最も重要だという判断、これは正に慧眼。
○りょーちん
この映画、意外にも当時を知る世代以外もたくさん観に行ってるようだが
バスケ少年が、湘北メンバーで一番ライドできるのは宮城なのでは?と思った。
桜木は初心者だが才能の塊だし、流川・三井は言わずもがな。
赤木は努力の人だが、恵まれた体格の持ち主でもある。
その点宮城は低身長であり、PG(ポイントガード)でありながら
ノンシューターという割りと致命的な欠点もある。
(実際山王戦での得点シーンはフリースローによる2点のみだったと記憶してる)
そんな等身大キャラの宮城だからこそ、あのドリブルで活路を見出すシーンに胸打たれるし、
リアルに憧れるし、実際にプレイを真似したくなるのかもしれない。
なお、原作にない宮城のバックグラウンドを描くこと自体は問題ないし、
必要なことだとも思うのだけど、その内容は「死」が絡んでおり、ちょっと重たすぎたという印象。
また、試合シーンでテンションMAXになってたところに、上記の回想を何度も挟んでくるのは
なまじ試合の描写が良すぎるが為に、興を削がれた感じを受けてしまったのも本音ではある。