じょー さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
まったりとした、人類滅亡前の未来
最後の最後になって、なぜ時系列をシャッフルしたのか解ったような気がします。インパクトのある血しぶきやら、チキンやらで印象づけて、最後に人格形成の基礎になるお茶会を持ってくる所が、なかなか憎いです。メルヘンチックでありながら、中身は社会風刺だったり、文明に対する皮肉だったりするのですが、毒素を心地よく楽しめる作品だったかなと。
なんといっても、魅力はキャラデザと中原さんでした。これくらい声優さんとキャラクターが合ってるアニメというのもなかなかないかなと思います。毒をちりばめながら、その毒が決して嫌みでないのは、中原さんの功績が大きいかなと。原作を読んでる時よりかなりマイルドかつ可愛らしい印象を受けました。
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1話「妖精さんの、ひみつのこうじょう」
人類滅亡直前の世界。世界は新人類である「妖精さん」と旧人類の滅亡前の人間たちに分かれています。お菓子が好きで、無邪気で、だからこそブラックな「妖精さん」。その「妖精さん」と人間の間に起きる様々な問題を解決する、国連調停官である「私」の視点を通じての世界。ほんわかしたお話のなかに、いろんな風刺や、皮肉、ブラックジョークが所々にちりばめられています。
なんか「妖精さん」も「私」も可愛いですね。中原麻衣さんの声にマッチしたキャラクターと、妖精さん達の可愛らしさが際立っていました。「私」のシニカルで冷静な突っ込みもなかなかでした。そして、「私」の黒い所も上手く表現されていて、これが中原さんのほのぼのした声と相まって、上手く雰囲気が出ていました。正直アニメの可愛らしさもあるのですが、原作より楽しめました。
でもまー、なんで4巻からスタートしたのかは全く不明です。ユートピアかディストピアか解らない世界観とか、主人公の立ち位置とか全く説明なしで物語がスタートします。原作読んでない人って、この世界観が解るのかしら?
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人類は衰退しましたは、なんというかまったりなお話です。
エロゲ、ギャルゲの世界では有名な方らしい、田中ロミオさんが書かれた原作。肩の力を抜きながら、楽しめるのですが、ひらがな主体のコミカルな口調で書かれる妖精さんの言葉や、主人公の投げやりな言葉には、文明に対する強烈なアイロニーであったり、人間の根源的な恐怖であったりを、いともあっさりと書いてしまっていたりしますので、実はあんまり気が抜けなかったりします。
クセのある文章ですが、多分、この会話劇は、余計な所を削って、アニメで表現した方が映えるかも知れません。でもあの独特の世界感や、可愛らしさでごまかしながらも、その実シュールであったりのお話を、どう映像で表現するかは見物です。
そしてスタッフには、原作ものには定評のある岸監督と、上江洲誠さんのシリーズ構成そして、AIC ACTAという事で、結構期待してもいいのではないかなと思います。
PVを見る限り、妖精さんも「私」も可愛らしく表現されていました。山﨑透さんの絵も好きだったのでこちらも見てみたかったのですが、でも戸部さんの絵も、PVを見る限りでは、綺麗に再現されていた様に感じられ楽しみです。
あまり外れになりそうにない雰囲気なので、まったりと見れるといいですね。