てとてと さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
無限の住人の完成版。名作だけど、一番面白かった場面は2008年版の方だった
トンデモ剣客バトル。2008年に前半部分を1クールに纏めた先行版放送、-IMMORTAL-は原作の最初から最後まで2クールで描いている。
※作品データベース様より転載
【良い点】
時代劇としても剣客バトルとしても独特な作風。不死身の用心棒・万次が死なない体活かしてスプラッターな展開になっても斬りまくったり、逸刀流などの剣客たちの武器や戦い方が変則的で、バトル物として面白い。
TVよりWeb主体な為か規制が緩く、かなりハードゴアなエログロあり。
ヒロインの凜がチャーミングかつ強い少女、過酷な仇討や修羅の道に踏み込みつつも人間性見失わず着実に成長する。
魅力的な剣客多く、群像劇のように信念や行動理念が絡み合っていく。
剣客だけでなくその妻子までも武士として覚悟を見せるなど、なんちゃって時代劇とは一線を画す凄まじい気迫。
絶対悪なキャラは少数、殺戮や非道繰り返しつつも芯の通った生き様がある意味美しい。
三つ巴な展開でどの陣営も背負っている信念や覚悟に共感出来、ほぼ全員応援できるのは珍しい作劇。
凛の仇な逸刀流当主・天津影久がカッコよく、凛が次第に心動かされるロマンス要素も良かった。
女性剣客も複数で結構華もある。無骸流のはぐれ者同士の絆の尊さも見所。
序盤は2008年版のリメイク、バトルも個別ドラマも良回多い。
復讐の連鎖をテーマに重厚な話多い。
中盤以降2008年版未踏の領域に、ここからは群像劇の側面が強く、立場の異なるキャラたちの生き様死に様の苛烈さに目が離せず。
諸行無常、兵どもが夢の跡…凄惨にして切ない感じが漂う。
ラストも時代が流れても受け継がれる想いで物語を綺麗に締めた。
原作の最初からラストまで一応やり切った。
アニメ版無限の住人としては一応の完成作品。
【悪い点】
序盤〜前半が2008年版のダイジェストで内容が重複している。
個々の話の面白味では2008年版の方が良かった。
良い点と裏腹で、後半は複数陣営のキャラ多過ぎて話がごちゃついてくる。
当初は凛の逸刀流への復讐劇と思いきや、逸刀流側の掘り下げが進行してこいつらにも感情移入…かと思いきや公儀から逸刀流殲滅の命を受けた非道な剣客・吐鉤群(はばきかぎむら)による人体実験展開で不快、と思いきや吐も武士として父親として立派な矜持あり…
各々の人物描写やドラマは良いんだけど、どこにメインの軸があるのか分かりづらくなってくる。
凛と万次もあまり目立たず、誰が主人公なのかが曖昧に。
バトルシーンが泥臭くて地味。
最初の方は変則的な武器や戦術で外連味があるが、二戦目以降飽きてくる。
純粋なバトルアニメとしては作画的にも2008年版の方が良かった。
万次役の津田健次郎氏は決して悪くは無いけれど、万次に関してはベタなチンピラっぽくてやや微妙。
2008年版の関智一氏の方が万次らしい魅力あった。
【総合評価】6~7点
無限の住人のアニメ版としては本作が完成版な感じ。
評価は「良い」
独特の魅力がある力作なんだけど、とっつき易くはない。
アニメとしては、未完成でも2008年版の方が好きだった。