しゅりー さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ハイカラお洒落なRPG原作アニメ
2008年にアトラスより発売された人気RPGシリーズを原作に持つ本作。
アニメはAIC ASTAの制作でTV放送は全25話。
片田舎の都市、稲羽市に越してきた少年、鳴上悠が転校してきた
八十神高校で巡り合う同級生達とともに「マヨナカテレビ」という
怪談?に関連する連続殺人事件、失踪事件に関わっていく伝奇的な物語。
私は過去にペルソナ3を途中断念した半端者なので本作の原作は知りません。
ただ、ゲームの雰囲気をかなり忠実に守っていたという本作の持ち味、
「カッ!」などの擬音やキャラのカットイン表現、カレンダーの動きなどは
確かに記憶の中のペルソナ3と似ていて、自然に観ることが出来ました。
ショッピングモール「ジュネス」や商店街の風景、主人公の暮らす
堂島家や八十神高校の屋上などで似たアングルの絵をよく見るのも
ゲームのプレイ画面の印象を大事にしているからなのかと思います。
{netabare}15話の風景を見る限りそうなのだと想像しました。
関係ないですが、あの話は懐かしさでちょっとやりきれない気分でした。
書記の子があんなに立派になっているなんて…。{/netabare}
そうした舞台へのこだわりも多少関係するのかもしれませんが、
作品全体を通してとてもお洒落なイメージを持ちました。
キャラクターそれぞれの服装に細かいアクセントがあったり、
ペルソナの持つ独特な意匠などデザイン部分の持つ魅力と
目黒将司さんのジャズやポップの多彩なBGMが合わさって
とてもセンスの良い世界観だと思います。 ハイカラですね!
あと人物の顔の目の周りが白く、頬から顎のあたりにかけて
色が濃く描かれる様はテレビのスポットライトが当たっているような印象があり、
本編のテーマから他人の見る外面のようなイメージを持ちました。
さて、本編の話ですが、どうやらゲームをプレイ済みの方から
見ると色々と物足りない部分があったようです。
色々と原作の見所になる部分がオミットされていたり最終回が
ノーマルエンドだったりという所が難点になっている話を聞きます。
しかし、未プレイの私から見るとシリアス、コメディのバランスが良く、
各アルカナごとの登場キャラクターのエピソードが割と印象的だったので
メイン以外のキャラクターにも愛着が湧きやすく良かったと思います。
確かに最後まで観て事件の展開が早足な部分があり、バトルの印象が薄い
ところがあるなどでソフトに終わってしまった感もあります。
だからこそ、アニメを観てゲームをプレイしたくなった人にとっては
ゲームをプレイした時にまた別の感動を得られて良いのではとも思えるのです。
そんな訳で、アニメその物はそれなりに楽しめるといった印象ですが、
この先、ペルソナ4のプレイを考える人の判断材料の一つとしては
優秀な物になっていくのではないかと予想しています。
本編が自らが見たくない自分と向き合い、戦うストーリーだったので
私も中途半端だった私が投げ出したゲームに再チャレンジしようと思えました。
まずは10月で逃げてしまった影時間の物語を終わらせなければいけませんね。