ガムンダ さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
現実より酷いファンタジーを描いて何が「お仕事系」と?
挫折したアイドル崩れが傷心で立ち寄った水族館に就職
その水族館も老朽化で閉館寸前 館長の孫娘が閉館に抗いつつ…と言うお話。
アイドル崩れのフウカ
艦長代理のククル のダブルヒロインです。
2クールで前後半部に分かれます。
「SHIROBAKO」「花咲くいろは」「サクラクエスト」の並びのお仕事シリーズ、という事ですが、私は常々「SHIROBAKO」とそれ以外の出来が違い過ぎると言っております。
こちらも残念ながらそれ以外の方です。
お仕事シリーズと言うならイッパシの社会人としてツッコミ入れさせて頂きますが、仕事のやり方、組織の作り方がまるでダメ過ぎなんですよね。
ネタばれになるので閉じときますが
{netabare}
(がまがま編)
まず2話で起こる最初のインシデント。
ククルがフウカに説教かましますがこの事案は100%ククルの責任です。
ククルは無能パワハラ上司の典型です。
社会人ならわかりますよね?。
アイドル崩れったってメジャーデビューしてたら幾ら落ち目でもフォロワー数千は行くでしょ。
それを使って集客する企画も思いつかないとか、
艦長代理も無能なら、崩れアイドルの方も「写真は撮らないで」とか言ってる時点でアイドルなんて辞めて正解ですよ。
そもそも何故興行の世界を志したん?ってレベルで向いてないです。
後輩アイドルがスベってる時も棒立ちだし。
「元〇〇 水族館の飼育員になる」 で発信すれば簡単に爆揚げですわ。
「浮ついたニワカなんか来なくて良い」って主張でしょうが、真面目にコンテンツ作ればそこからコアなファンも残るし、結果的に水棲生物に興味を持つ人が増えるという目的にも適います。
第一経営的には間違いなく正しい。
もっとも、がまがまについては正艦長が既に自沈の決断をしていて予定の時期まで孫娘の社会勉強に操艦させているという線が濃厚ですが。
(ティンガーラ編)
後半就職するティンガーラは本当、どうしようもない前時代のブラック企業です。
権限の無い事に責任負わされる。変なあだ名で呼ばれる。
シフトに入ったら、「何故勝手に入ったの?」とかヒスられる。
いや勝手にって、マネージャー職が承認したんだから本人に文句言うのはお角違いでしょ。
鬼の副長はもっともらしく指図してきますが、物語中何一つ成果を挙げてない無能。
「理不尽に抗うド根性」と言いたいのかもしれませんが、生産性の低い組織構造を放置してただ根性と言うのは昭和脳の発想です。
根性と言いながら技術を軽視する事こそ不誠実な仕事への取組みと知るべきです。
前半でハエバルが「水族館に就職するのは狭き門」「あんた達みたいなごっこ遊びの半端もんはスッコンデロ」という台詞はこの作品中数少ない正論なんですが、後半で何故か唐突に誰も彼もその狭き門を易々突破してくるし。
そのハエバルも育児に理解の無い職場を警戒して育児中である事を隠すって言う意味不明過ぎる行動。
育児の事実を隠してもその結果起こる事象(突発欠勤とか)は隠せないんだから意味ないじゃん。
むしろ育児もしてないのに休みまくってる方が評価下がるでしょうに。
この様に生産性の低い組織、価値を生まない従業員はもう存在し得ない世の中になってきているんですよ。
{/netabare}
とまあシナリオ書いてる人は多分現代社会のお仕事の事を根本的に解ってらっしゃらない気がするんですよね。
それで「お仕事系」とか。学生が真に受けたらどうすんのさ。