てとてと さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
和風強化服ヒーローで王道ボーイミーツガール。惜しい面は多いが好感持てる
名古屋発のオリジナルアニメ。強化服ヒーローで和風系。全12話。
※作品データベース様より転載
【良い点】
ヒーロー目指し好きな女の子の為に戦う主人公と、世界救う為犠牲を強いられる人柱系ヒロインという、良き王道ボーイミーツガール。
主人公が戦う理由、モチベーションが素直で好感持てる。主人公が熱血で素直な良い子。ヒロインも可愛い。
人々の負の感情糧とする怪異「鬼」を相手に強化服着て戦う、特撮では王道だけどアニメではありそうで意外と少ない路線も良い。
鬼の性質上、各キャラの内面試されるドラマに繋げやすく、3話陸上部の女の子の青春劇とか中々良かった。
主人公の相棒が強化服に宿る鬼で彼と紆余曲折親交深めていくのも、今流行りの「呪術廻戦」もっと古くは「うしおととら」等
少年漫画の王道の一形態、この方向でも手堅く纏まっている。相棒が最初邪悪で徐々に…というのはうしとらっぽい。
相棒イバラの過去が判明する9話から、友情が確定する10話の盛り上がりは実に王道。
全体のストーリーも鬼やこれを封じる儀式、過去の惨劇、ヒロインに課せられた人柱の宿命、対する主人公たちの葛藤を描きつつ
終盤しっかり盛り上げ納得のいく結末に至る。多少の粗はあっても最後には良いアニメを見た実感が残る。
フルCG作画は垢抜けないものの、強化服のデザイン、要所で魅せるアクション、女の子のキャラデザの可愛さなど、悪くない。
名古屋ネタとして八十亀ちゃんが避難民でゲスト出演は嬉しいサプライズ。
【悪い点】
作画に関しては許容範囲。
声優陣は拙いが許容範囲。
シリアスとコミカルの配分が丁度良いというよりも、中途半端寄り。パロディのセンスは悪くないが、違和感あるシーン多々。
大筋の王道はよいが、それ以外の寄り道なエピソードや半端なコメディー回が多く、構成がやや散漫な印象。
前半に良エピソードもあるが全編通してみるとスロースターター、主人公と相棒とヒロインのバックボーン提示が遅く既に終盤
で掛け足気味など、構成が惜しい。
各話無駄とは言わない、2クール以上ならば作品の魅力に繋がるはずだけど、本作は1クールしかない。
1クールの大半を主要キャラの交流掘り下げに費やさねばならないが、惜しいところでそうなっていない。
主人公とヒロインがラブコメ深まる要素も浅い、1クールしかないなら余計な話は省いて彼女ともっとラブコメさせるべきだった。
仲間たちと良きチームになっていく過程に関しても同時期の「テスラノート」に比べぱっとしない。
キャラの成長要素も、折角の鬼が人間の負の感情試す云々があまり活かされず。3話は良いが逆に言うと3話くらいしかない。
キャラクターも王道+αの魅力が地味。この作品、このキャラ達ならではの要素が乏しい。
折角の名古屋御当地要素も物足りない。
【総合評価】5~4点
王道で好感が持てるが粗削りな佳作。
評価は「良い」けれど普通寄り。もう少しこうした方が…と惜しい点も多い。
良き王道はちゃんと抑えているので、今後のこの企画の続編があるとすれば期待できそう。